研究課題/領域番号 |
23K22732
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補助金の研究課題番号 |
22H01461 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2024) 東京大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
小室 淳史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (70733137)
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研究分担者 |
西田 浩之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60545945)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 大気圧プラズマ / 気流の動的制御 / 深層強化学習 / 人工知能 / 気流制御 / 動的失速 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は放電と気流の相互作用を調べる基礎研究と、航空機におけるピッチング運動を模擬した風洞実験により構成されている。まずは基礎研究において気流制御効果と種々の放電パラメータの関係を明らかにする。次に、ピッチング運動を模擬した動的風洞実験においてパルス放電を用いた気流制御効果の有効性を検証する。さらに、気流制御の方法として深層強化学習のアルゴリズムを用い、自立した気流制御が可能かどうかを調べる。
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研究実績の概要 |
初年度は風洞実験システムの構築から始めた。ピッチング運動システムは当初計画では特注で製作する予定であったが、費用を削減するために自作することにした。手始めとして、制御が容易なステッピングモーターを用いて比較的重量の軽いアクリルの円柱をピッチング運動させる機構を製作した。アクリル円柱は表面に圧力穴をあけ、表面圧力を計測できるようにした。モータードライバと圧力計測のシステムを統合し、圧力の値をモニタリングしながらモーターの速度や回転向きを変えられるフィードバックシステムを構築した。モニタリングされる圧力値に対して任意の閾値を与え、その値によってモーターの速度が変化することが確認できた。 次に、円柱にプラズマアクチュエータを取り付け、ピッチング回転をする円柱に対してプラズマアクチュエータによる気流制御を試みた。プラズマアクチュエータの電源には制御が容易な交流高電圧電源を用い、ピッチング運動の変動角度や中心各、回転速度を変化させながら気流制御実験を行った。結果として、プラズマアクチュエータは気流剥離前の流れに対して剥離を抑制する効果を発揮するが、すでに剥離してしまった流れに対しては効果が小さいことがわかった。このことは、ピッチング運動する模型に対してはプラズマアクチュエータを駆動するタイミングが非常に重要であることを示唆しており、気流剥離の有無をモニタリングしながらプラズマアクチュエータを駆動することの有効性を示している
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ピッチング運動システムが自作できたことから、研究費を大幅に削減することに成功した。また、ピッチング運動システムのテスト用に行った円柱模型に対する実験が予想以上にうまくいったため、当初の予定にはなかった円柱模型に対する風洞実験を行い、一定の成果を上げることができた。本研究で構築したピッチング運動システムを他の形状の模型にも適応して実験を進めていく。 制御系としては翼模型の表面圧力をモニタリングしながら、モーターの回転速度や回転向きを変化させるフィードバックシステムを構築することができた。本システムを基盤とし、今後はフィードバックの種類やアルゴリズムを変えることによって最適な制御手法の開発に取り組んでいく。 以上のように、ピッチング運動システムの構築と、圧力とモーターのフィードバックシステムが問題なく構築できたことから、研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は初年度に構築したピッチング運動システムとフィードバックシステムを拡張しながら動的失速に関する制御手法の研究を進めていく。現在のピッチング運動システムにはステッピングモーターを使用しているが、今年度はサーボモーターを利用したシステムへと拡張する予定である。これにより、模型の大きさや重量に対する制限が小さくなり、また回転速度や回転の加減速の性能が上がるため、実験可能なピッチング運動範囲が広がる。また、これまではモーターと模型表面の圧力でのみフィードバックシステムを構築していたが、これにプラズマアクチュエータの電源を組み込むことにより、フィードバックシステムの制御パラメータを拡張する。構築した実験システムで風洞実験を繰り返し、最適な制御手法の同定を進めていく。
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