研究課題/領域番号 |
23K22733
|
補助金の研究課題番号 |
22H01462 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20313009)
|
研究分担者 |
佐藤 正寛 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40805769)
藤井 隆 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (60371283)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 電界計測 / 高電界現象 / 短パルスレーザ / 非線形光学現象 / E-FIG / 電界 / E-FISHG |
研究開始時の研究の概要 |
電界誘起二次高調波発生(EFISHG)による気中電界計測手法は、原理的に高感度出力が期待されるものの、不平等電界の校正法すら確立されておらず、計測法としては現状極めて荒削りな状況にとどまっている。集光位置を動かしながら二次高調波を測定し、逆解析と組み合わせることで、「その場を乱すことなく(非侵襲)に、高い時間・空間分解能で測定できる最も理想的な電界計測法」を確立する。特に、本手法の時間分解能、空間分解能、精度、適用できる放電の種別、測定対象までの距離、など、EFISHGの有する電界計測手法としてのスペックを明らかにしていく。
|
研究実績の概要 |
E-FISHGを用いた電界計測に関して、校正法・経路にそった電界分布復元法を開発した。また、高強度フェムト秒レーザの非線形光学効果 の解明に向けた実験を行った。 電極系に対してレーザ集光位置を相対的に動かした時のSHの強度分布を取得し、レーザ進行方向に仮想電荷を配置して逆計算を行うことにより光路上の電界分布を求める手法を考案した。本手法により、峻度の異なる電界分布や、複数のピークを持つ電界分布など、複雑な電界分布への適用可能性、逆解析も含めた系全体の測定精度、空間分解能を明確化した。 また、発生するSHの偏光状態も観測することで、光路上の電界ベクトル分布の測定にも成功した。 E-FISHGにおいては、SHの発生強度は、入射するレーザ強度の2乗に比例するため、光源としては、高強度のフェムト秒レーザを用いることが有効である。しかしながら、高強度のフェムト秒レーザは非線形効果が強いため、大気中で伝搬させると光カー効果による自己収束、それに伴うプラズマ発生や収束したまま発散せずに伝搬するフィラメンテーションなど、様々な複雑な非線形現象が生じる。フェムト秒レーザを用いて、測定を行ったところ、プラズマ発生下やフィラメンテーション発生下には、印加電界の二乗に比例してSHが発生はするものの、その偏光状態は乱れてしまうことがわかった。さらに、フィラメンテーションが生じている条件下におけるSHの発生様相も測定したところ、フィラメンテーション発生個所においては、上記の偏光が旋光していることが判明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロトタイプとなる三次元電界ベクトル測定法は、ほぼ確立しつつある。 放電プラズマとの相互作用についても、フェムト秒レーザを用いる場合、二次高調波には 繰り返しレーザを入射するため、繰り返し周波数と、それによる初期電子供給確率に関する有益な知見を得た。おおむね順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
高強度フェムト用レーザの非線形光学効果(偏光の回転、後方散乱)の解明とその特性把握を行う。具体的にはレーザとしては大出力fsレーザやnsを用い、DC-SHG信号出力の特性(通常の伝搬方向に重畳するDC-SHGと、後方散乱光に重畳するDC-SHG)を系統的に測定する。本測定手法のアプリケーションを見極めることを念頭に、放電プラズマとの相互作用、遠隔電界測定を見越した後方散乱光の大きさは、重点的に測定する予定である。
|