研究課題/領域番号 |
23K22737
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補助金の研究課題番号 |
22H01466 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
尹 己烈 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50596020)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 磁気特性 / 超低渦電流損 / パワーエレクトロニクス / 電力変換 / 超高密度圧粉鉄心 / 圧粉鉄心 / 極低渦電流損 / 高周波電力変換 / 低損失 / 鉄損 / 超高密度コア / 低渦電流損 / ナノサイズ絶縁被膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,自動車,家電,パソコン,発電所,プラントなど様々な分野で電力を変換するために使用されているインダクター、リアクトル、モータなど巻線を施した鉄心材料の損失低減に関する新たな提案である.樹脂など結合剤を利用しない圧粉鉄心作製方法を確立することで高透磁率,高飽和磁束密度を持ちながら渦電流の発生を従来鉄心材料の1割以下になる鉄心材料を作ることによって高周波下で使用できるインダクター、リアクトル、モータコアの作成可能性を試みる.
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研究実績の概要 |
電力用変換材料として100kHz以上の高周波領域で高い磁束密度および透磁率を維持しながら磁気特性を劣化させないようにするために,渦電流の発生を極めて抑制した電力用変換材料を検討しチョークコイルやトランスコイル,パワーインダクタ及びリアクトルとして性能を発揮できる電力用変換材料を確立すること目的とする. 1. 新しい圧粉鉄心の作製工程確立:鉄粉の種類(還元鉄粉、ガスアトマイズ鉄粉、水アトマイズ鉄粉など)および絶縁膜の厚みによって圧粉鉄心の磁気特性が大幅に変化する.したがって,高透磁率・高飽和磁化・極低渦電流損失を持つことが可能になる鉄粉の種類と絶縁膜の厚みを選定する.また作製工程で加えられる高い加工応力は磁気特性(特に直流ヒステリシス特性)の劣化に繋がるので緩和するための熱処理温度を選定する. 2. 物性解明:一般的にはセラミックスと金属の間にバインダーを利用しないと強い結合力が現れないが,事前検討でバインダーを利用せずに強い結合力が現れた.結合力の原因を分析することで絶縁膜の厚みを最適化することができる.事前研究でバインダーを利用せずに鉄心の成型に成功したが,接合メカニズムなどが明確になっていない状況である.セラミック前駆体と鉄粉の質量で計算すると20nm前後になると予測しているが,成型後に圧粉鉄心の形が崩れずに高い密度を保つ理由を解明する必要がある.したがって,岐阜大学で保有しているTEMの回折パターン分析・TEMとEDXの境界面の成分分析・ビッカース硬さ試験などで圧粉鉄心の構造と接合面の成分を解析することで圧粉鉄心の作製工程の確立 を試みる. 3.磁気特性分析:上記で作成した圧粉鉄心の低周波(50Hz)から高周波(100kHz以上)まで磁気特性を分析する.特に直流ヒステリシス損失と渦電流損失を分離することで各周波数別に鉄粉の種類と絶縁膜の厚みが磁気特性に及ぼす影響を分析する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記概要の1と2に関しておおむね計画通り進んでいる。 1. 新しい圧粉鉄心の作製工程確立:鉄粉の種類(還元鉄粉、ガスアトマイズ鉄粉、水アトマイズ鉄粉など)および絶縁膜の厚みによって圧粉鉄心の磁気特性が大幅に変化する.したがって,高透磁率・高飽和磁化・極低渦電流損失を持つことが可能になる鉄粉の種類と絶縁膜の厚みを選定を行った.これはEnergy Reportsに報告した.(https://doi.org/10.1016/j.egyr.2023.02.058.) 2. 物性解明:一般的にはセラミックスと金属の間にバインダーを利用しないと強い結合力が現れないが,事前検討でバインダーを利用せずに強い結合力が現れた.結合力の原因を分析することで絶縁膜の厚みを最適化することができる.事前研究でバインダーを利用せずに鉄心の成型に成功したが,接合メカニズムなどが明確になっていない状況である.セラミック前駆体と鉄粉の質量で計算すると20nm前後になると予測しているが,成型後に圧粉鉄心の形が崩れずに高い密度を保つ理由を解明する必要がある.したがって,岐阜大学で保有しているTEMの回折パターン分析・TEMとEDXの境界面の成分分析・ビッカース硬さ試験などで圧粉鉄心の構造と接合面の成分を解析することで圧粉鉄心の作製工程の確立 を試みた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は概要1の圧粉鉄心の熱処理を試みる。また2の結合メカニズムを解明して報告する予定である。3の高周波特性分析も並行して行う。
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