研究課題/領域番号 |
23K22757
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補助金の研究課題番号 |
22H01487 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
上原 秀幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00293754)
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研究分担者 |
宮路 祐一 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (50712923)
小松 和暉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90912402)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | IoT / セキュリティ / 高周波回路 / 非線形歪み / 端末識別 / ZigBee / Wi-Fi / 非線形ひずみ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超スマート社会のセキュリティ強化を図るため、IoT (Internet of Things)機器に搭載されているハードウェアの物理的特性に起因して生じる信号のひずみを利用して、個々のIoT機器を高精度に識別する手法を開発する。開発する手法は、従来のソフトウェア的対策ではなく、高周波回路と通信方式の本質的な情報から数理モデルに基づき特徴量を抽出するものであり、原理的に改変が困難で安全性が高く、低コストで高速動作が可能であり、通信環境の変化にも頑強という特徴をもつことが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、超スマート社会のセキュリティ強化を図るため、IoT (Internet of Things) 機器に搭載されているハードウェアの物理的特性に起因して生じる信号のひずみを利用して、個々のIoT機器を高精度に識別する手法を開発している。開発する手法は、従来のディジタル情報に基づくソフトウェア的な対策ではなく、高周波回路と通信方式の本質的な情報に基づき数理モデルと機械学習により対策を図るものであり、原理的に改変が困難で安全性が高く、低コストで高速動作が可能、通信環境の変化に頑強という特徴をもつ。 本年度は、初年度に引き続きZigBee端末に対する識別手法の改良を進めた。同時に、Wi-Fi端末の識別手法の開発も本格的に着手し一定の成果を得た。まず、ZigBee端末の識別手法については、前年度に、異なるベンダーの2種類の端末が混在した状況で、最大41台の識別に成功している。加えて、ベンダーの識別には100%成功している。しかしながら、端末数が増加するにつれて識別精度の低下が見られた。この原因について探求したところ、特徴量に時間的なゆらぎが観測された。そこで、このゆらぎを考慮した新たな特徴量を考案して識別実験をした結果、一定条件のもとでは改善が見られた。 続いて、Wi-Fi端末の識別手法については、我々の研究グループが開発している帯域内全二重通信向けの自己干渉キャンセラの知見を応用して、送信端末の物理的特性のみを特徴量として抽出し、伝搬路応答や受信端末の物理的特性の影響に堅牢な手法を考案した。実機実験では、Wi-Fi端末を想定して、OFDM信号を送信する12台のソフトウェア無線機の識別に成功した。加えて、シミュレータの開発とWi-Fiドングルを搭載した端末の識別実験の準備を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り、ZigBee端末の識別については第1段階の評価を得て改良と検証の段階へ進んだこと,Wi-Fi端末については識別手法の考案と初期の評価を終えることができたことに加え、シミュレータの原形を構築できたため。
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今後の研究の推進方策 |
ZigBee端末に対する識別手法の開発においては、高周波回路の不完全性としての周波数オフセットとI/Qインバランスに加え、電力増幅器の非線形歪みを表す特徴量,さらにはそれら特徴量のゆらぎを考慮した識別手法を改良して、目標とする55台以上の端末で有効性を検証する。Wi-Fi端末に対する識別手法の開発においては、Wi-Fiドングルを搭載した端末の識別実験を行い、考案した手法の有効性を評価する。シミュレーターもWi-Fi端末を想定して開発を続け、実機実験の結果と比較評価しながら進める。いずれの実機実験においても、多種多量の端末に対し複数環境のシナリオでの測定を進めて有効性を評価する予定である。 また、得られた成果は取りまとめて学会発表を行う予定である。
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