研究課題/領域番号 |
23K22762
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補助金の研究課題番号 |
22H01492 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60462743)
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研究分担者 |
山田 功 東京工業大学, 工学院, 教授 (50230446)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 凸最適化 / 近接写像 / 弱凸関数 / ロバスト推定 / スパースモデリング / Moreau エンベロープ / MCペナルティ / 弱凸正則化 / MC ペナルティ / Moreauエンベロープ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高雑音環境下でも外れ値への強い耐性を持ち、大域的最適解を効率的に求められるロバスト推定パラダイムを構築することを目的とする。この目的を達成するため、Moreauエンベロープから導かれる「良質な非線形性」を持つ損失関数に基づくロバスト回帰手法を構築し、「ロバスト性」と「大域的最適性の保証」の間に存在するトレードオフ問題を抜本的に解決するとともに、外れ値へのロバスト性が大きく向上することを実証する。さらに、Bregman エンベロープに基づく新しい損失関数を開発し、その数理的性質を解明するとともに、ダイバージェンス型損失関数を包括的に扱える一般化ロバスト推定パラダイムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
以下、2023年度に得られた成果の概要を記す。 (1)分散型信号復元問題へのロバストアプローチ:ネットワーク上に散在するデータから、各ノードによる局所関数の最適化とノード間の復元結果の共有によって、ネットワーク上の全てのデータを使った最適解を求める問題を分散型信号復元問題という。ここで、各ノードは推定した変数の個数より少ない数の観測データ(入力ベクトルと出力の組)を持っており、幾つかの出力には、外れ値が含まれている状況を想定する。本研究では、2022年度に開発した安定ロバスト線形回帰の手法を発展させることで、外れ値にロバストな分散型信号復元法を構築した。TriPDーDistアルゴリズムに基づくアルゴリズムを与え、最適解へ収束するための条件を明らかにするとともに、シミュレーションによって有効性を実証した。本成果は、昨年9月にローマで開催された国際会議IEEE MLSP2023で発表するとともに、詳細な結果をまとめた論文を学術論文誌へ投稿済みである。 (2)ロバストオンライン多ユーザ検出法:無線通信において、通信路環境の変化にロバストな多ユーザ検出問題のためのオンラインアルゴリズムを開発した。まず初めに、最適な最大事後確率(MAP)フィルタが、ガウスカーネルの生成する再生核ヒルベルト空間の元であることを明らかにした。次に、この最適フィルタを少ないサンプルデータから効率的に推定する手法を与えた。さらに、通信路環境の変化へのロバスト性を得るべく、線形カーネルとガウスカーネルを組み合わせた部分線形モデルに基づくアルゴリズムを与え、通信路環境の変化に対するロバスト性が実現されることをシミュレーションで実証した。提案アルゴリズムは、研究代表者が2012年に提唱した多カーネル適応フィルタに基づいて構築されている。本成果は、フラウンホーファー研究所(独)との共同研究による。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
想定していた研究成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
随時、研究の方向性を見直しながら研究を進める。
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