研究課題/領域番号 |
23K22763
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補助金の研究課題番号 |
22H01493 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
長谷川 幹雄 東京理科大学, 工学部電気工学科, 教授 (50358967)
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研究分担者 |
若宮 直紀 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50283742)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 無線通信システム / IoT / 最適化 / 自律分散型アルゴリズム / 通信プロトコル |
研究開始時の研究の概要 |
920MHz帯、2.4GHz帯などのアンライセンスバンドでは様々な無線通信システムが利用されている。同じチャネルを同時に利用する瞬間には必ず互いに干渉や衝突が起こるため、これらのシステムはそれぞれ異なる通信プロトコルによって衝突を避けながら通信しているが、送信機の数や種類が増えれば衝突率は悪化する。パケットが長いシステムの送信を待機する時間が長くなるなど、異種システム競合による問題が生じる。本研究では、多数のシステムをプロトコルレベルまで最適に共存させる新たな自律分散型共存方式を確立する。集中管理が困難なネットワークに適用するために、自律分散型最適化アルゴリズムを構築し全体最適に近づけていく。
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研究実績の概要 |
無線LAN、Bluetooth、IoT無線など、様々な無線通信システムがアンライセンスバンドで利用されている。同じチャネルを同時に利用する瞬間には干渉や衝突が起こるため、これらのシステムはそれぞれ異なる通信プロトコルによって衝突を避けながら通信しているが、プロトコルの違いによって、想定してしない衝突や干渉が生じ、また、送信機の数や種類が増えれば衝突率は悪化する。本研究では、多数の異なる無線通信システムを、プロトコルレベルまで最適に共存させる自律分散型共存方式の確立を目指している。 本年度は主に、サブギガヘルツ帯で用いられているLow Power Wide Area(LPWA)方式のように多数チャネルが利用可能である状況を想定し、大規模なIoT無線通信システムの実現を目指し研究を進めた。920Hz帯で共存する複数の無線通信システムの同時送信時の通信品質シミュレーションを進め、異種プロトコルの相互の衝突およびパラメータへの依存性について調べ整理を行った。また、強化学習を用いた自律分散型アルゴリズムによるチャネル選択等の無線通信パラメータの手法を提案しており、実機実験によってIoT環境における複数の通信パラメータの選択手法の有効性を示した。本手法は、計算量の小さいMulti-Armed Banditアルゴリズムを、IoT端末それぞれで実行することによって自律分散的にチャネル等のパラメータを選択させる手法である。また、移動を想定した無線通信システムを対象とし、ゲーム理論を応用した無線ネットワーク経路の最適化手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IoT無線通信における複数のパラメータを調整する軽量なアルゴリズムを提案し、その有効性をIoT無線通信の実機実験によって示すことに成功している。また、通信品質を保ちながら省電力化する強化学習アルゴリズムを開発し、こちらも実機実験での測定によって有効性を示している。以上の理由より、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
複数の無線通信プロトコルの同時送信時の通信品質評価を進めていく。さまざまな変更可能なパラメータを対象とし、ネットワークシミュレータによって、各設定状況におけるスループットや衝突率、エラー率等の通信品質を測定し、またプロトコルの動作を詳細に確認していく。 さらに、変更可能パラメータを、強化学習によって最適化するアルゴリズムの構築を進める。様々なパラメータを変数とした最適化を試みる。まず、ネットワークシミュレータを用いて、LoRa, WiSUN, 802.11ahなどを共存させた環境を対象として、強化学習によるパラメータの最適化を試みる。さらに、このようなアルゴリズムをIoT機器などを用いて実装し、実機実験によっても、有効性の評価を進めていく。
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