研究課題/領域番号 |
23K22774
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補助金の研究課題番号 |
22H01504 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
菊永 和也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究チーム長 (10581283)
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研究分担者 |
平田 研二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (40828282)
藤尾 侑輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90635799)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 静電気 / 発光 / センシング / 静電気発光 / 発光材料 / 第一原理計算 / センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では静電気に由来する電荷を検知して光を出力するセラミック微粒子を超小型な静電気センサとして利用するために、静電気発光のメカニズムを解明し、静電気を可視化センシングする技術を開発する。
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研究実績の概要 |
静電気発光のメカニズム解明のため、静電気発光の電子状態の調査を行った。発光機構に関与する欠陥準位は主に酸素空孔に起因すると推測されるため、酸素空孔を導入したSrAl2O4:Eu2+の誘電率を第一原理計算によって検討した。計算では単斜晶SrAl2O4のunit cellを2×1×2倍した112原子のスーパーセルでSrサイトにEuが置換したモデルを作成し、スーパーセル内に64か所ある酸素サイトにそれぞれ空孔を導入した。計算結果ではSrAl2O4:Eu2+は酸素空孔のエネルギー準位が主に2.5-5.0eV付近に分布しており、熱ルミネセンス曲線のピークから見積もられた実験結果よりも、伝導帯から見てより深い位置に分布していることが分かった。また酸素空孔のエネルギー的安定性のサイト依存性について分析したところ、どの荷電状態においても傾向は見られず酸素空孔サイトとエネルギー的安定性は相関性がないことが分かった。 次に、静電気発光材料の特性を定量的に評価するため、昨年度に開発したシステムを用いて、静電気発光現象に係る各物性を測定し、その特性を分析した。まず針への印加電圧を変えて静電気発光の輝度、印加電圧、電流との関係を調べたところ、発光はコロナ放電に伴う電圧、電流のそれぞれに相関関係があることが分かった。続いて静電気発光を画像として捉えたときの特性を調べた。具体的には静電気発生材料の発光を、コロナ放電照射時の印加電圧を変化させながらカメラで撮影し、「印加電圧」と「空間な形状変化」の関係を調べた。その結果、印加電圧との相関が、全体的な発光と空間的な形状変化において90%以上であることが分かった。このことから静電気発光を定量化できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
静電気発光における発光モデルの構築の足掛かりを得るための第一原理計算において、64か所ある酸素欠陥に関する知見を得ることができた。また静電気発光の特性について関連する物性を明らかにし、定量化に向けてのメドをつけることができた。このことから当初の計画通りに実施できておりおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
静電気発光のメカニズム解明において、第一原理計算では材料物性の欠陥準位や励起状態の変化について更なる調査を実施し、静電気発光のモデル構築を目指す。また静電気発光評価システムおよび画像解析を用いて、様々な静電気発光材料の特性を評価するとともに、その特性を用いて発光を用いた静電気の定量性を試みる。
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