炭化ケイ素(SiC)は高感度な量子センサや量子情報処理・通信において有用と目されている様々な点欠陥スピンをホストし、かつ電子デバイスとして良好な動作が可能な半導体材料である。これまでに光電流を用いてSiC中のスピン点欠陥のコヒーレントな量子情報が室温で電気的に検出できることが見出されてきたが、光電流がスピン依存性を獲得するメカニズムやスピン依存性の大きさの決定要因は未だ明らかではない。本研究では、光励起下におけるSiC中の点欠陥スピンと電荷のダイナミクスを詳細に研究し、室温量子エレクトロニクスの基盤となる高効率な電気的スピン情報読出技術の確立につなげる。
|