研究課題/領域番号 |
23K22805
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補助金の研究課題番号 |
22H01535 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2023-2024) 公益財団法人高輝度光科学研究センター (2022) |
研究代表者 |
大河内 拓雄 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (00435596)
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研究分担者 |
藤原 秀紀 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (00397746)
濱本 諭 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, リサーチアソシエイト (50910460)
大沢 仁志 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 研究員 (00443549)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 磁気物性 / 磁気線二色性 / スピントロニクス / 放射光 / 光電子顕微鏡 / 反強磁性 / パルスレーザー / 光誘起磁化反転 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、強磁性体やフェリ磁性体薄膜において近年成功を収めている、光パルスによるスピン方向制御を反強磁性材料に適用する。つまり、光の直線偏光が反強磁性の磁化ベクトルに作用する逆・磁気線二色性効果を利用して、「光を用いた反強磁性スピン制御」を開拓し、反強磁性体をベースとした媒体において、磁気書き込みの「サイズ・速度・消費電力」の3点においてこれまでの限界を突破する。
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研究実績の概要 |
反強磁性物質や薄膜に対して直線偏光レーザーパルスを照射することで、逆・磁気線二色性効果を介して偏光方向に応じた反強磁性磁化の方向を任意に制御する現象を実証することが本研究課題のメインテーマである。令和4年の成果として、劈開したNiO(001)バルク結晶表面に、偏光方向の異なる複数の条件のレーザーパルスを照射したときの反強磁性磁区を、放射光磁気線二色性の光電子顕微鏡観察(XMLD-PEEM)によって評価した。その結果、明確な偏光依存性は検出できなかったものの、レーザー照射場所における磁区構造の改変状態は確認できた。令和5年度には対象となる反強磁性試料を薄膜に拡張すべく、スパッタリングおよびEFM蒸着の機構を構築し、製膜できる環境が整った。これを利用して、反強磁性/強磁性ヘテロ構造薄膜を作製して磁気交換バイアスを介した光誘起磁化反転なども試み、論文化に至った。また、これまで研究を継続していた、フェリ磁性GdFeCoの円偏光依存光誘起磁化反転に関して、発現機構や性質を考察した論文などを発表することができた(計3報)。現在は、新規な磁性材料として、反転対称性の破れにより弱強磁性を持つ反強磁性体Mn3Snの光誘起磁化反転も試みている。また、研究テーマに適した新たな材料系として、垂直磁化CoFeBや、酸化物/酸化物の交換バイアス系ヘテロ構造多層膜といった磁性材料に同様な磁気光学効果を試す計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで行ってきた光誘起磁化反転に関する研究について、3報の主著論文を出版することができた。また、メインである反強磁性体の逆・磁気線二色性による直接的な光誘起磁化反転には至っていないものの、反強磁性/強磁性交換バイアス薄膜における磁化制御や、新規な磁性体であるMnSn3などに着目してこれまでの計画にとらわれない物質系をターゲットにして幅広い研究を展開している。そのための薄膜製膜機構も完成し、運用に至っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで行っている研究を継続し、特に、NiO/Fe系交換バイアス薄膜とMnSn3薄膜による光誘起磁化反転の研究を重点的に行う。加えて、磁気光学効果が非常に高いと考えられながらこれまで光誘起磁化反転効果が試されてこなかった磁性材料(CopFeBなど)についても新たに同様の実験を実施したい。
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