研究課題/領域番号 |
23K22807
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補助金の研究課題番号 |
22H01537 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石鍋 隆宏 東北大学, 工学研究科, 教授 (30361132)
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研究分担者 |
柴田 陽生 東北大学, 工学研究科, 助教 (70771880)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 液晶 / 配向制御 / 波面制御 / インプリント / フォトリソグラフィ / 配向性高分子 / ナノ構造体 / メタサーフェス / 焦点可変レンズ |
研究開始時の研究の概要 |
光波の動的な制御は、LiDER、ARデバイス、焦点可変型の機能性コンタクトレンズなど、様々な分野への応用が期待されている。本研究は分子配向を制御した微細な構造体を作製し、これを用いて微小領域における液晶の分子配向を精密に制御すると共に、微細な構造体面に光学異方性を有するネマティック液晶を浸透させ、電気的に液晶の分子配向を制御することで光波の動的な制御技術とこれまでにない光機能を創出する。
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研究実績の概要 |
本研究では、分子配向を制御した微細な構造体をフォトリソグラフィおよびインプリント技術を用いて作製する技術を構築すると共に、構造体を用いた微小領域における駆動用液晶材料の分子配向制御技術の確立とそれを用いた新たな光機能の創出を目的とし、以下の成果を得た。 1) 微小構造体の形成に向けた配向性高分子の材料設計と作製プロセスを確立した。一般に微小構造を形成時、構造の端面における分子配向に揺らぎが生じて微小領域における光制御が困難となる。材料を塗布時に高温化させることで一様な配向状態を作ると同時に、構造形成時には低温化させることで分子の揺らぎを抑えることで配向の局所的な乱れを抑制し、微細な構造形成が可能であることを確認した。 2) ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いてモールドを作製し、モールドの表面をCYTOPを用いてフッ素処理することで、剥離性が高いモールドを作製した。フッ素処理表面において液晶性モノマーが垂直配向することを応用し、基板上で一様な垂直配向状態を示す液晶性モノマー膜にインプリント技術により構造を転写し、その後、紫外線硬化することで、配向性高分子膜の配向状態と表面形状を同時に制御する技術を確立した。更に表面形状を制御した配向性高分子膜上に駆動用液晶材料を滴下し、配向性高分子膜を駆動用液晶材料の配向膜として用いることで、液晶を一様な垂直配向に制御することを達成し、作製した素子が配向欠陥なく光制御に有効であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和5年度は、配向性高分子膜の微細な構造制御に必要な材料設計および、プロセス技術を確立した。この技術はフォトリソグラフィによる2次元構造の制御だけでなく、インプリント技術による3次元構造制御に応用が可能である。本研究では、インプリントに用いるモールドの設計手法を確立し、配向性高分子膜の表面形状と配向状態を同時に制御することに成功しただけでなく、その上に配置する駆動用液晶の配向制御を達成した。以上のことから、本研究は計画以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、前年度に得られた配向性高分子膜の構造制御を発展させ、より微細化した構造の実現と高効率での光制御の実現を目指す。光デバイスに向けた光学系を設計すると共に、実際にシステムを構築し本研究におけるシステムの有効性を実証する。
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