研究課題/領域番号 |
23K22822
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補助金の研究課題番号 |
22H01552 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2024) 大阪大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
小西 毅 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90283720)
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研究分担者 |
植之原 裕行 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20334526)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 非線形光学効果 / シリコンフォトニクス / 構造モデリング / データ同化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,シリコンフォトニクスにおける光デバイスの品質検査のために必要不可欠な構造評価について,SEMやAFMなどを用いた方法とは全く異なる新しいアプローチの開拓を“目的”とする.シリコン光デバイスの現在の構造評価技術の高速化に対して,初めて着想した光の非線形伝播による全く異なる構造評価アプローチの可能性を検証し、特に,光パルスの非線形伝播とともに履歴として位置情報を保持して構造情報が逐次蓄積される非線形スペクトル変化に着目した独自の方法の有用性を明らかとすることを具体的な目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究では,シリコンフォトニクスにおける光デバイスの品質検査のために必要不可欠な構造評価について,SEMやAFMなどを用いた方法とは全く異なる新しいアプローチの開拓を“目的”として、シリコン光デバイスの現在の構造評価技術の高速化に対して,初めて着想した光の非線形伝播による全く異なる構造評価アプローチの可能性を検証し、その有用性を明らかとすることを目指している.具体的には,①構造の評価方法の原理確認,②構造の評価方法の精度の検討,③適用可能な構造の自由度の項目について検討を行う.今年度は,①構造の評価方法の原理確認について,主に伝播計算の高速化と構造の評価方法の原理確認を目指す.シリコンデバイスの伝播計算シミュレーションには有限差分時間領域法が一般的に用いられるが,計算時間が長く高速化には適していない.そこで,スプリットステップフーリエ変換法を用いた高速化を新しく検討し,シミュレーションで与えた基本的な構造の推定確認を行ってきている.今年度は、光デバイスの挿入損失を左右する光結合部分の状態確認のモデリングを目指した検討を進めた。その結果,光結合のための基本構造であるテーパー型のモード変換器に対して,導波路構造よりも内部に光のパスがあってもその光のパス(光路)の状態を確認する可能性を見出した.その結果を、電子情報通信学会研究会において発表を行った。シリコンフォトニクスにおいては、三次元コパッケージ化が最近進んでおり、一端、コパッケージ化されたデバイス内の光のパス(光路)の状態を確認することは不可能である。しかし、様々なモード変換器やリング共振器などの光デバイスでは、その特性が温度変化に敏感なものもあり、本研究で見出したアプローチが光デバイスの状態変化に効果があることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,シリコンフォトニクスにおける光デバイスの品質検査のために必要不可欠な構造評価について,SEMやAFMなどを用いた方法とは全く異なる新しいアプローチの開拓を“目的”として、シリコン光デバイスの現在の構造評価技術の高速化に対して,初めて着想した光の非線形伝播による全く異なる構造評価アプローチの可能性を検証し、その有用性を明らかとすることを目指している.具体的には,①構造の評価方法の原理確認,②構造の評価方法の精度の検討,③適用可能な構造の自由度の項目について検討を行う.今年度は,①構造の評価方法の原理確認について,主に伝播計算の高速化と構造の評価方法の原理確認を目指す.シリコンデバイスの伝播計算シミュレーションには有限差分時間領域法が一般的に用いられるが,計算時間が長く高速化には適していない.そこで,スプリットステップフーリエ変換法を用いた高速化を新しく検討し,シミュレーションで与えた基本的な構造の推定確認を行った.今年度は、光デバイスの挿入損失を左右する光結合部分の状態確認のモデリングを目指した検討を進めた。その結果,光結合のための基本構造であるテーパー型のモード変換器に対して,光のパス(光路)の状態確認の可能性を見出した.新しい結果であるために、その内容の外部発表は計画通りではないが、電子情報通信学会研究会において結果の発表を行うなど,概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては,概ね順調に進められているので,計画に沿って進める予定である.前年度の原理確認結果の過程で抽出された光のパス(光路)の状態確認の可能性の検討の重要性が挙げられ,分担者の東京工業大学で得られた知見なども含めて光デバイス内部での様々な構造変化に対応した光路の変化とその伝播計算の高速化と構造の評価方法の原理確認を目指す。令和6年度は,現状では、デバイスに制御性高く構造変化を与えることが難しいために、シミュレーションを中心に光のパス(光路)の状態に対する検討を進め、研究成果をまとめる予定である。
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