• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

動特性のパラメータ設計による火山ガラス微粉末ベースジオポリマーのシステム最適化

研究課題

研究課題/領域番号 23K22836
補助金の研究課題番号 22H01566 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
研究機関熊本大学

研究代表者

尾上 幸造  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50435111)

研究分担者 重石 光弘  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50253761)
佐川 康貴  九州大学, 工学研究院, 准教授 (10325508)
新 大軌  島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70431393)
福永 隆之  九州大学, 工学研究院, 助教 (20869408)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
キーワード火山ガラス微粉末 / アルカリ活性材料 / タグチメソッド / 最適化 / 再現性 / 動特性 / 養生条件 / 圧縮強度 / 反応生成物 / ジオポリマー / 高炉スラグ微粉末 / システム最適化
研究開始時の研究の概要

本申請課題では、火山ガラス微粉末を主な活性フィラーとし、高炉スラグ微粉末および石灰石微粉末を補助的に用いるジオポリマー(VGGP)の実用化に向けた基礎的検討を実施する。設計パラメータ水準の組合せが膨大となることを考慮し、動特性のパラメータ設計を適用することで、原料の品質変動に鈍感かつ再現性の高い設計システムを構築する。さらに、最適条件下でVGGPの品質変動が抑制されるメカニズムならびにVGGPの建設材料としての適用性についても明らかとする。本研究は、環境負荷低減型の新規なジオポリマーを開発するもので、建設材料分野におけるカーボンニュートラルの推進に寄与することが期待される。

研究実績の概要

2023年度は、はじめに火山ガラス微粉末(VGP)と高炉スラグ微粉末(GGBS)をベースとするアルカリ活性材料(AAM)の配合および製造条件の最適化を試みた。具体的には、タグチメソッドにおける動特性のパラメータ設計を適用し、入出力関係を安定化するための各種設計パラメータ(SS/SH:水ガラス(SS)と水酸化ナトリウム水溶液(SH)の質量比、SH濃度、加熱養生の保持温度、前置き時間、加熱養生の積算温度)の最適水準の組合せについて検討した。直交表にはL18を用い、入力値として粉体とアルカリ溶液の容積比P/Lを0.6、0.7、0.8の3水準に設定した。出力値は15打フロー値、曲げ強度、および圧縮強度とした。また、ノイズ条件としてVGPの製造ロット(総数2)を取り上げた。計108回の実験により得られたSN比の算定結果より、SS/SH = 1、SH濃度 = 6 M、保持温度70℃、前置き時間6時間、積算温度1000℃・hがそれぞれ最適と判定された。SH濃度および積算温度については研究代表者らが過去に実施したフライアッシュをベースとするジオポリマーの最適水準と一致した。
次に、同AAMの強度発現および反応機構に及ぼす養生条件の影響について検討した。モルタル打設後の1次養生を加熱または常温封緘、2次養生を20℃気中または20℃水中とした場合の影響について調べた。その結果、1次養生を常温封緘、2次養生を20℃水中とした場合に最も圧縮強度が大きくなり、さらに熱重量分析の結果からC-A-S-Hおよび反応生成物の総量が最も多くなることが明らかとなった。また、SEM観察より、1次養生を加熱とした場合には微細ひび割れや亀裂が発生していたのに対し、1次養生を常温封緘とした場合には比較的隙間が少なく連続的かつ緻密な構造を形成していたことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた計画に従い、過去2年度間でVGPの活性フィラーとしてのポテンシャル評価、タグチメソッドを適用した設計パラメータ水準の最適化まで完了することができ、さらに研究を進める上で派生した養生条件の影響まで明らかにすることができたため。

今後の研究の推進方策

2024年度は、これまでに得られた知見を踏まえ、はじめに1次養生を常温封緘、2次養生を水中としたVGP-GGBS系AAMについて、アルカリ溶液の設計パラメータの最適水準について確認を行う。その後、最適化されたAAMについて、塩分浸透や耐火性などの耐久性、圧縮強度や静弾性係数などの力学特性について検討を行い、将来的な実用化へ向けた基礎データを取得するとともに課題を抽出する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 火山ガラス微粉末をベースとするアルカリ活性材料の強度発現および反応機構に及ぼす養生条件の影響2024

    • 著者名/発表者名
      大迫雄馬,尾上幸造,下條啓人,阿部隼士
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 46

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 火山ガラス微粉末を用いたアルカリ活性材料の圧縮強度に関する影響因子の評価2023

    • 著者名/発表者名
      下條啓人,大迫雄馬,尾上幸造
    • 雑誌名

      第11回九州橋梁・構造工学研究会シンポジウム

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 火山ガラス微粉末を使用したアルカリ活性材料に関する基礎的検討2023

    • 著者名/発表者名
      大迫雄馬,尾上幸造,新大軌,福永隆之
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 45

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 1次養生を常温封緘としたVGP-GGBS系AAMの圧縮強度と反応生成物2024

    • 著者名/発表者名
      大迫雄馬,尾上幸造,下條啓人,阿部隼士,大塚彩未
    • 学会等名
      令和5年度土木学会西部支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 火山ガラス微粉末ベースのアルカリ活性材料の圧縮強度に及ぼす活性フィラーおよび養生条件の影響2023

    • 著者名/発表者名
      大迫雄馬,尾上幸造,下條啓人
    • 学会等名
      令和5年度土木学会全国大会第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 火山ガラス微粉末ベースのアルカリ活性材料の配合および製造条件が圧縮強度に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      下條啓人,尾上幸造,大迫雄馬
    • 学会等名
      令和5年度土木学会全国大会第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 火山ガラス微粉末のアルカリ活性材料の活性フィラーとしての性質について2023

    • 著者名/発表者名
      大迫雄馬,尾上幸造,新大軌,福永隆之,下條啓人,重石光弘
    • 学会等名
      令和4年度土木学会西部支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi