研究課題/領域番号 |
23K22856
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補助金の研究課題番号 |
22H01586 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野田 利弘 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80262872)
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研究分担者 |
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252263)
吉川 高広 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20771075)
淺岡 顕 公益財団法人地震予知総合研究振興会, 地震防災調査研究部, 副首席主任研究員 (50093175)
中井 健太郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60402484)
山田 正太郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70346815)
豊田 智大 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80899964)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 地形変動 / 断層 / 弾塑性 / 水~土連成 / 摩擦 / 座屈褶曲 / 分岐理論 / 上負荷面 / stick-slip現象 / 有限変形 / 衝上断層 / Imbrication / デコルマ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,変動地形学・構造地質学分野において分類・整理されてきた種々の浅部地質構造,とくに種々の変形(伸張・圧縮・横ずれ)場で生じる様々な浅部地質構造(listric断層,imbrication,Riedelせん断等)の発生機構を弾塑性数値地盤力学の立場から解明することを目的とする.これを達成するために,以下に示す項目を順次実行する. 1)三主応力試験および断層模型実験の実施,2)大規模三次元解析の実現に向けた解析手法の高度化・高速化,3)横ずれ場・伸張場・圧縮場においては発達する地質構造の数値シミュレーション
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研究実績の概要 |
変動地形学・構造地質学において観察された諸地形を力学的視点から体系的に理解することが求められているが,殊に表層地盤における地形の形成過程は構成材料の非線形性・応力履歴依存性に大きく依存するため,その機序の十分な解明には至っていないのが現状である.本研究の目的は,1)表層地盤の応力状態を模擬した室内試験による地形形成過程に及ぼす土被り圧および中間主応力の影響評価,2)断層変位に伴う表層近傍での変形の局所化(断層発生)過程の再現と数値解析による検証を通じて,表層近傍において種々の変形場(伸張・圧縮・横ずれ)の下で生じる諸地形の形成メカニズムを系統的に解明し,弾塑性・非線形力学の立場から実際の表層付近で生じる一連の力学現象に統一的視座を与えることであった. 本年度は,とくに項目2)の一環として,水平圧縮作用下にある地盤において生じる「座屈集曲」に着目し,その波長決定メカニズムについて,分岐理論の観点から考察を行った.具体的には,地盤の有限変形に伴い刻々と変化してゆく系の接線剛性マトリクスの固有値変化に着目し,最初にゼロ固有値を達成するモードの抽出・比較を行った.さらに,同じく項目2)の一環として,断層面において生じる摩擦を非古典塑性論の枠組みのもとで記述する「時間依存性上下負荷面摩擦モデル」を提案し,その性能を検証した.同モデルは,動摩擦力の静止摩擦力に対する上回りを構造の「嵩張り」と捉え,その発展則として,静止摩擦発揮後の動摩擦への遷移過程(軟化)と,時間経過に伴う動摩擦から静止摩擦への回復過程(硬化)を記述するものである.同モデルを搭載した数値解析手法により,典型的な摩擦由来の過渡現象であるstick-slip現象や安定すべりが解かれることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水平圧縮を受ける地盤の固有値解析を通して,地盤が非一様な堆積構造を有する場合において,部材長非依存の座屈褶曲の発生が説明可能であり,その波長が地層の剛性比や層厚に応じて変化することを系統的に示したほか,部材長非依存の波長は超高等方拘束圧作用下にある地盤においても説明可能であることを示した.また,本研究において提案した上下負荷面摩擦モデルによりstick-slip現象/安定すべり現象の再現にも成功した.これらは,断層における地震動の周期的発生やスロースリップを統一的枠組みのもとで説明できる可能性を示唆している.以上より,研究は順調に進行しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
項目2)については,弾塑性有限変形解析・固有値解析および提案した摩擦モデルの適用を通して,引き続き地形形成過程の再現解析にあたるとともに,一連の研究成果を国際誌に投稿してゆく.
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