研究課題/領域番号 |
23K22861
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補助金の研究課題番号 |
22H01591 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
米田 純 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40760187)
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研究分担者 |
梶山 慎太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50803532)
中田 幸男 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90274183)
太田 遥子 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (30983176)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 目詰まり / 内部浸食 / 3Dプリンター / 濾過 / フィルター / 透水 |
研究開始時の研究の概要 |
粒状材料を止めておくためには、ふるいのような網目、又は砂利のような粒状材料を使う。しかし、濾過機構は流れてくる粒子を止める役割をしているので、いつかは詰まってしまう。盛土に設けられる暗渠管やジオシンセティクス排水材、天然ガス井のスクリーン等がこれに当たる。フィルターが目詰まりを起こすと、本来の機能が発揮できず、場合によっては災害を誘発し、大きな事故につながる。一方で、大きすぎるフィルターを選定すると、内部浸食の原因となる。本研究は、様々な3次元構造を持つフィルターの開発を進め、それらの基礎的物理特性と目詰まりメカニズムを明らかにし、広範な粒度に対して長期的に濾過機能を発揮できる技術開発を行う。
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研究実績の概要 |
粒状材料を止めるフィルターが目詰まりを起こすと、本来の機能が発揮できず、場合によっては機能不全や災害を誘発し、大きな事故につながる。一方で、大きすぎるフィルターを選定すると、粒状材料を止めることができずフィルターとしての機能を果たさない。本研究は、種々の3次元構造を持つフィルターの開発を進め、それらの基礎的物理特性と目詰まりメカニズムを明らかにし、広範な粒度に対して長期的に濾過機能を発揮できる技術開発を進めている。昨年度、まずは2種類の3次元構造のデジタルデータを活用し、個別要素法を適用し、自由落下による粒子のトラップメカニズムを可視化した。一つは一般的な縦横の編み込み構造(2Dフィルター)を再現し、もう一つはダイヤモンドの格子構造(3Dフィルター)を再現し、2つのフィルターは、粒子をトラップまたは濾過するための最小目開きと粒子径の関係において、異なる閾値を持つことを明らかとしている。本年度は、線径が異なる3次元構造フィルターの目詰まり防止機能に及ぼす影響を検討するために、フィルターの開口幅は等しく、線径が異なるフィルターを、新たに導入した3Dプリンターによって作製し、ガラスビーズの通過率等の評価を進めた。その結果、フィルターの線径が、粒子の通過率に影響を与えることが明らかとなった。線径が増加すると単位面積当たりの流路面積が小さくなる。一方で、線径が大きくなると、単位面積当たりの流路の流速が早くなる。この二つのトレードオフの関係から、粒子を最も効率的に止めて、且つ流体の流量を最大化する線径が存在すると推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、実験および解析ともに概ね順調に進展している。 本年度実施した模型実験からは、フィルターの最適な線径の存在が明らかとなり、対象となる粒状材料に合わせた最適なフィルターの提案に繋げられる。個別要素法を用いた解析についても、解析ケースを増やして、2次元と3次元の粒子の流出メカニズムの違いについて、考察を進めている。 次年度以降も実施計画通りに遂行していく。
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今後の研究の推進方策 |
導入した3Dプリンターを用いたフィルターの製作と評価を継続的に進める。模型実験の知見を基にしたフィルター線径の最適化を行う。同時に実証試験を進めるための装置開発を行う。過年度に開発した3次元フィルターを実スケールで実証し、種々の粒度に対して、設計→製造→試験を即座に実現するFast Manufacturingを実行し、研究開発を加速させる。
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