研究課題/領域番号 |
23K22892
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補助金の研究課題番号 |
22H01622 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飛野 智宏 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90624916)
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研究分担者 |
中島 典之 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (30292890)
山村 寛 中央大学, 理工学部, 教授 (40515334)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 膜分離活性汚泥法 / 凝集 / 嫌気性消化 / エネルギー回収 / リン回収 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギー自立型、脱炭素・資源循環型の下水処理プロセスの確立を目指し、下水中に含まれる有機炭素エネルギーとリン資源を最大限に回収しつつ、十分な処理水質を確保できる下水処理プロセスとして、2つの膜分離バイオリアクター(Membrane Bioreactor, MBR)から構成される二段の膜プロセスを提案し、その中で生じる物理/化学/生物学的過程における現象解明と工学的制御の最適化のための研究開発を行う。
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研究実績の概要 |
下水中に含まれるエネルギー・資源の回収と処理水質の確保を高次元で両立させるためのコンパクトな下水処理プロセスとして、凝集剤投入型の膜分離バイオリアクター(凝集MBR)と嫌気性消化MBRを組み合わせた二段膜プロセスを提案し、その概念実証と機構解明を目的として、それぞれのプロセスの検討を進めた。 実下水に高分子凝集剤を添加して直接ろ過を行った結果、凝集剤の添加により下水中の有機物回収量を微増させることが可能であることが確認された。一方で、凝集剤注入量が過多の場合は凝集剤がろ液側に漏出したことから、有機物回収量を最大化するための最適注入量の存在が明らかとなった。10種類の異なる凝集剤を用いて凝集剤自身が引き起こすろ過膜の目詰まりへの影響を評価した結果、凝集剤の分子量や荷電量の違いが膜目詰まりに影響を及ぼすことが明らかとなった。高分子凝集剤を添加後の活性汚泥を用いたろ過試験の結果、凝集剤の添加により高フラックス条件での膜目詰まりを大幅に抑制できる可能性が示された。また、下水中のリンは高分子凝集剤を添加しても汚泥に移行することなくろ液側に残存させることが可能であることが明らかとなった。 嫌気性消化MBRでは、余剰汚泥を基質として有機物負荷を一定に保ちながらHRTを15日から0.5日まで段階的に短縮した。HRTの短縮に伴い消化槽外へと流出する二酸化炭素の割合が増加し、消化ガス中のメタン濃度が上昇した。HRT1日以下でメタン濃度95%の高品質消化ガスを回収可能であることが明らかになった。一方で、HRT1日以下ではメタン発生量が減少し、未反応有機物の消化槽外への流出を阻止する必要があることが示唆された。また、HRT1日以下で嫌気性消化MBRを安定運転するためには膜目詰まりの抑制が課題となることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
凝集剤の添加による有機物回収、膜目詰まりおよびリンの挙動への影響をほぼ当初計画通り検討できた。嫌気性消化MBRについても、HRTの短縮による消化ガス中メタンの高濃度化が可能であることを実証した。
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今後の研究の推進方策 |
凝集剤のどのような特性が有機物回収率および膜目詰まりに影響するのかを明らかとするための試験を進める。同時に、準連続試験を行うことで、連続運転条件での凝集剤添加の影響についての検討を進める。嫌気性消化MBRでは、HRT1日以下における未反応有機物の消化槽外への流出と膜目詰まりを同時に抑制するための試験を行う。微生物活性剤を用いて消化槽での反応を促進し、メタン発生量の増加と膜目詰まり原因物質の低減を目指す。嫌気性消化MBRの連続運転に先立ち、バッチ実験により適正な活性剤添加量を決定する。
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