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海水・淡水Anammox混合培養系の部分亜硝酸化-Anammox-脱窒法への展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K22898
補助金の研究課題番号 22H01628 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分22060:土木環境システム関連
研究機関熊本大学

研究代表者

川越 保徳  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (00291211)

研究分担者 惣田 訓  立命館大学, 理工学部, 教授 (30322176)
井上 大介  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70448091)
伊藤 紘晃  熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 助教 (80637182)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワードAnammox / 部分亜硝酸化 / 窒素処理 / 淡水性 / 海洋性 / 海水性Anammox細菌 / 淡水性Anammox細菌 / Anamox / 一槽型 / 海洋性細菌
研究開始時の研究の概要

本研究では,処理対象水の塩分濃度に着目し,海洋性と淡水性のAnammox細菌の混合培養系導入による,塩分濃度の変化に柔軟に対応する堅牢な窒素除去技術の構築を目的とする。具体的には,海洋性と淡水性Anammox細菌の共存培養系をベースとする『一槽型部分亜硝酸化-Anammox-従属栄養脱窒法(SNAD)』を,懸濁系バイオマスにバイオフィルムを組み合わせたハイブリッドバイオリアクタ(HBR)にて構築する。塩分や有機物,温度など諸条件による処理能や細菌叢およびそれら機能への影響を明らかにして本手法を確立し,窒素・有機物除去と細菌叢の動力学モデルによる理論的解析を行う。

研究実績の概要

本研究は淡水性細菌群と海水性細菌群の混合培養系による部分亜硝酸化-Anammox(Partial nitritation/Anammox:PN/A)の構築とその窒素除去能および特性の解明を主目的とする。
初年度の昨年度は,本申請研究において新たに考案した懸濁態-生物膜混在型反応槽(Hybrid Bio-Reactor:HBR)を用いてこれまで世界的に知見の乏しい海水性Anammox細菌バイオマスによるPN/Aプロセス(海水性PN/A)の構築に成功し,研究成果を日本水環境学会等で発表した。
2年目となる本年度は,昨年度,構築に成功した海水性Anammox細菌バイオマスによるPN/Aプロセス(海水性PN/A)の窒素除去能力の向上と安定化を検討するとともに,HBRによる淡水性Anammox細菌バイオマスを用いたPN/A(淡水性PN/A)の構築を検討した。海水性PN/Aの微生物叢解析の結果より反応槽内には海水性Anammox細菌と推定されるCandidatus Scalindua属細菌に加え,アンモニア酸化細菌と推定されるNitrosomonadaceae科細菌が検出されるなどの知見を得た他,240 mg-N/Lのアンモニア態窒素を含む流入水にて60%以上の窒素除去率(NRE)を達成した。
淡水性PN/Aについては,HBRにて240 mg-N/Lのアンモニアを基質として窒素容量負荷0.67 kg-N/L・dの条件下で70%以上の窒素除去率を達成したことから,細菌叢解析を実施して知見が得られ次第,関連学会等での発表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の昨年度においては,本申請研究において新たに考案した懸濁態-生物膜混在型反応槽(Hybrid Bio-Reactor:HBR)を用いてこれまで世界的に知見の乏しい海水性Anammox細菌バイオマスによるPN/Aプロセス(海水性PN/A)の構築に成功し,120 mg-N/Lのアンモニア塩のみを基質とする流入水について80%以上の窒素除去率(NRE)を達成,これらの研究成果を日本水環境学会等で発表した。2年目となる本年度は,海水性PN/Aプロセスの窒素除去能力の向上と安定化を検討するとともに,HBRによる淡水性Anammox細菌バイオマスを用いたPN/A(淡水性PN/A)の構築を検討した。
海水性PN/Aの微生物叢解析の結果では,反応槽内には海水性Anammox細菌と推定されるCandidatus Scalindua属細菌に加え,アンモニア酸化細菌と推定されるNitrosomonadaceae科細菌が検出されるなどの知見が得られた。また,窒素除去能の向上を目指して240 mg-N/Lのアンモニア態窒素を含む流入水にて約10時間の水理学的滞留時間(HRT)を設定し,約0.58 kg-N/L・dの窒素容量負荷(NLR)の条件下で60%以上のNREを達成したもののその後約2週間でNREの急激な低下が認められため,回復を急ぐとともにNRE低下要因の解明に取り組んでいる。
淡水性PN/Aについては,HBRにて240 mg-N/Lのアンモニアを基質として窒素容量負荷0.67 kg-N/L・dの条件下で70%以上の窒素除去率を達成したことから,細菌叢解析を実施中である。

今後の研究の推進方策

今年度までに,海水性PN/Aおよび淡水性PN/Aの構築に成功したことから,本研究3年目となる本年度は,淡水性細菌群と海水性細菌群の混合培養系によるPN/Aプロセス(混合系PN/A)の立ち上げに挑む。方法としては,これまでと同様HBRのコンセプトを継承する新型リアクターを用いる。主な変更点は底部からの不活性バイオマスや無機成分など沈殿物の排除が容易であること,不織布の新旧交換が容易であること,材質がガラスではなくアクリルであることである。また,混合系PN/Aの立ち上げにあたっては,海水性と淡水性Anammox細菌培養物の混合物を植種源とすることに加え,淡水系PN/Aと海水性PN/Aリアクター内培養物の混合物を用いた方法を検討する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 懸濁態-生物膜混在型反応槽による海水性細菌を用いた部分亜硝酸化-Anammox法の確立2023

    • 著者名/発表者名
      奥田耕大,大田健司,伊藤紘晃,川越保徳
    • 学会等名
      2022年度日本水環境学会九州沖縄支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 懸濁態-生物膜混在型反応槽を用いた海水性細菌による部分亜硝酸化-Anammox法の構築2022

    • 著者名/発表者名
      奥田耕大,大田健司,伊藤紘晃,川越保徳
    • 学会等名
      第57回日本水環境学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 懸濁態の海洋性Anammox培養において塩分濃度と浸透圧が窒素除去能に与える影響に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      福田祐成,奥田耕大,大田健司,伊藤紘晃,川越保徳
    • 学会等名
      日本水処理生物学会第58回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 高酸素耐性を有するAnammox細菌探索と培養に関する基礎的研究2022

    • 著者名/発表者名
      川口裕輔,大田健司,伊藤紘晃,川越保徳
    • 学会等名
      日本水処理生物学会第58回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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