研究課題/領域番号 |
23K22907
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補助金の研究課題番号 |
22H01637 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五十嵐 豪 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (10733107)
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研究分担者 |
高橋 佑弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10726805)
京川 裕之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60799865)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | カルシウム(アルミノ)シリケート水和物 / アルカリシリカゲル / 膨潤性鉱物 / 体積変化 / 結晶性状 / セメントペースト / 膨潤 / 微細構造 / 海水 / カチオン / 水分浸透 / 空隙構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)のもつ結晶構造の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を科学的見地から解明することに取り組む。このとき,類似の結晶構造をもつと考えられる膨潤性粘土鉱物に着目し,それぞれのもつ特性の共通点,相違点を整理する。そこから得られた知見から,膨潤―収縮性状をもつ微晶質水和物の乾湿に伴う結晶構造の変化とマクロな変形挙動を結びつける数理モデルを構築することを目指す。
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研究実績の概要 |
セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)のもつ結晶構造の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を科学的見地から解明することに取り組んだ。 その結果,セメントペーストと多孔質セラミクスでは同じ多孔材料であるが,結晶の膨潤に起因する空隙構造が変化することでセメントペーストに膨張が起こることが,プロトン核磁気共鳴法による微細構造分析とマクロな長さ変化測定の結果を比較することにより実験的に確認された。 加えて,セメントペーストを対象として,真水,人工海水,イソプロパノール,海水を構成する各種カチオンの塩化物溶液への浸漬挙動を比較することにより,吸水直後に粗大な空隙に侵入した水分は,時間とともに微細な空隙へ移動しており,その速度や変化量についても異なることが,同手法により確認された。 また,コンクリートおよびモルタルへの人工海水の浸透速度は,真水と比較すると大きく低下する挙動をX線ラジオグラフィとデジタル画像相関法観察により取得し,上記に示した挙動,真水と人工海水では,結晶の膨潤に伴い微細な空隙が広がり,相対的に粗大な空隙が狭まる現象が速く生じることにより生じると考えられた。加えて,長期的には,微細空隙と粗大空隙の比率の変化によらない膨張挙動が人工海水や一部カチオンの塩化物溶液で生じていることを実験的に確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)からなる微細空隙の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を実験において定量的に取得できたため
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今後の研究の推進方策 |
セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)の結晶性合成物や微晶質試料の層状構造の層間距離の変化を実験的に取得し,微細空隙の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を評価する
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