研究課題/領域番号 |
23K22913
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補助金の研究課題番号 |
22H01643 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 福山大学 (2024) 神戸大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
藤谷 秀雄 福山大学, 工学部, 教授 (10344011)
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研究分担者 |
向井 洋一 神戸大学, 工学研究科, 教授 (70252616)
山邊 友一郎 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (70362762)
鍋島 国彦 神戸大学, 工学研究科, 助教 (80843622)
榎田 竜太 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (20788624)
佐藤 栄児 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (60343761)
福井 弘久 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 契約研究員 (50881520)
伊藤 麻衣 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (90647421)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 減衰評価 / 目標減衰性能 / パッシブ振動制御 / セミアクティブ振動制御 / アクティブ振動制御 / 振動制御構造 / 継続使用 / 振動計測 / リアルタイムハイブリッド実験 / システム同定 / 地震応答スペクトル / 減衰性能評価 / ロバスト性 |
研究開始時の研究の概要 |
大地震の発生を想定して、建物のロバスト性を高める必要がある。本研究では、構造の安全性のみならず、建物の継続使用を実現するためには振動制御構造(免震、制振)とすることが有効と考え、要求される機能を確保する振動制御構造を選択する手法を提案する。 本研究の特徴は、パッシブ制御のみならず、セミアクティブ制御、アクティブ制御の振動制御構造も含めて共通の物理量(減衰定数)で減衰性能を評価することである。そして、振動制御構造を選択し、制御変数(パラメータ)を設定する方法を提案することを目的とする。
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研究実績の概要 |
まず、アクティブ免震構造の実験システムを構築した。免震構造試験体の固有周期と減衰定数を評価し、特にパルス性地震動を入力した際のアクティブ制御効果を確認することが可能になった。 続いて、いくつかの振動制御構造に対して、制御効果をARXモデルを用いて減衰定数で評価することを試みた。免震構造の大スケール実験では転がり支承による非線形性への対処に困難な点はあるが、積層ゴムで支持された構造モデルに対するリアルタイムハイブリッド実験の結果に対しては、概ね良好に減衰定数が得られた。一部で、特に免震層の変位制御効果が高いときに、上部構造の絶対加速度が上昇した場合には、減衰定数が小さく評価されるなど今後の課題も得られた。また低層部集中セミアクティブ制振構造においては、1入力多出力のARXモデルを適用する試みを継続しているが、最上階の応答だけに着目し1入力1出力モデルを適用した時には、ほぼ適切に評価できた。さらに構造本体の周期伸長に対応できる適応型TMDについては、概ね制御効果を減衰定数で評価できることがわかった。 神戸ポートタワーの振動計測については、2022年度にTMD単体の振動計測が行われることになったので、前倒しで振動計測システムの一部を導入し、その計測を行った。その結果TMDの固有周期を特定できた。このとき無線で各計測点(GL。高さ100m付近、TMD)のデータを無線で集約できるか確認したが、困難であることが分かったので、2023年度には、計測位置毎にゲートウェイを設置しクラウドに出力する方法を採用することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
すべてのテーマは予定通り進捗していることに加えて、神戸ポートタワーの振動計測については、2022年度にTMD単体の振動計測が行われたことを機に、前倒しで振動計測システムの一部を導入し、本設の計測計画を立案することができた。 さらに免震構造のセミアクティブ制御について、最適制御を適用した場合、等価線形化手法を用いて、評価関数の制御変数と応答の関係を示す手がかりを得た。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、免震構造については、①アクティブ免震構造の応答低減効果を減衰定数で評価する方法の検討、②セミアクティブ免震構造の強非線形応答にシステム同定手法を適用した減衰評価、③免震構造が制動部材によって変形制御されたときのダンパーによる上部構造の応答低減について取り組む。 制振構造については、①低層部集中セミアクティブ制御された構造モデルに対して1入力多出力のARXモデルを適用、②適応型TMDを多質点系モデルに適用し減衰定数で制御効果を評価、③AMDによるアクティブ制振構造の減衰性能評価に取り組む。 また神戸ポートタワーについては、竣工後に振動計測システムを設置し、長期の計測を開始し、制振改修による減衰効果を評価する。 リアルタイムハイブリッド実験に関しては、高速アクチュエータおよび振動台の遅れ時間を最小限に低減する高精度化を行う。
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