研究課題/領域番号 |
23K22929
|
補助金の研究課題番号 |
22H01659 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 公太郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20262123)
|
研究分担者 |
高瀬 幸造 東京理科大学, 創域理工学部建築学科, 講師 (20739148)
山口 大翔 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40983515)
福島 佳浩 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60883105)
久保田 愛 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (70942548)
国枝 歓 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (80839522)
伊東 優 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (90839523)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | 幾何学的空間システム / パラメトリック・デザイン / リンケージ / 展開構造 / セルフビルド / ヒンジジョイント / 仮設建築物 / 膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では独自に開発した回転仕口による複合仕口によって、地形の起伏と、敷地形状に対して変形追従ができる有機的な可動の建築を実現するものである。そして、その考え方に基づいた架構を実際にプロトタイプとして建造したうえで、構造および環境のモニタリングを通じて、方法の妥当性を検証する。そして最終的には社会実装を通じて、これまでになかった移動が自由なライフスタイルを提案するものである。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,独自に発明した回転仕口を組み合わせた複合仕口(ジョイント)(特願2021-147572)により ,大部分の工程がセルフビルド可能なこれまでにないフレキシブルな架構のプロトタイプを実験的に建造しこの特性と改善点を研究することである.このフレキシブルな架構のメリットは,ユーザが自ら分解組み立てを自由に行い,建物の移動や増築,全体の形態を繊細にカスタマイズして敷地の形状や外的条件に柔軟に対応できる.
今年度は独自に考案した「への字型回転仕口」に求められる具体的性能・機能を構造的観点,構法的観点から評価するためにアルミ切削でジョイント機構のモデルならびに,設計案を基にモックアップを制作しその操作性や施工性を確認した.さらに具体的な建造に向けた形態制御のアルゴリズムを実装したうえで,架構吊り上げ時の形態のシミュレーションを行い,施工手順や安全性を確認した.実行の準備として次年度に行う実際の建造のための場所の確保を行った.また外装や基礎の適切な仕様をデザインし発注図の作成と見積もりと調整を行った.
次年度以降は実際に架構の建設を通して,どこまでセルフビルドの建設を単純化できるかを明らかにする.そして,建設した架構に対してプラニングの自由度・構造的合理性・ 建設可能性・環境的性能・移動可能性(再建築・運搬)などの観点で性能を評価する.最終的な目標として,移動可能で,自由なライフスタイルを可能にする全く新しい建築の方式を創出することを目指している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の目標であった,セルフビルドの建造物試験体のための展開構造をシミュレーションするアルゴリズムの実装,ならびに実施設計レベルの図面と部材の製作会社による見積もりの作成など北海道に建造する試験体の制作に必要な調整,ならびに土地の確保などさまざまな調整も含めて準備がすべて完了した.成果としては, 外膜の大壁構造の幾何学をシミュレーションするツールや,積雪シミュレーションを行うツールなども完成させた点も挙げられる.またその内容を学会で発表報告している.コロナ禍の影響も無くなり,次年度すぐに建造実験に入れる状況であり,最終年度の行う予定であった外装システムの開発が思った以上に前倒しで進展したことから,全体的に,十分に「当初の計画以上に進展している.」
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は,部材の製作と建造実験を行い,実際のセルフビルドの施工性の確認と,建造後の性能評価の準備を行う.部材の準備やモックアップの組み立て制作は東京近郊で行い,最終的には北海道での作業が増える.そこで十分な準備作業を東京で行い,北海道での現地作業をできる限り減らせるように部分的な組み立て実験を入念に行う.建設後に加速度センサーや温度計類を取り付けログをとれるように組み立て段階から配慮して進める.またモニタリングを東京から行えるようにWeb監視カメラの設置や風速計なども設置する.環境工学的には換気の風量を自由にコントロールできる仕組みをつくり,熱環境を向上させる実験も行う.
|