研究課題/領域番号 |
23K22936
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補助金の研究課題番号 |
22H01666 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
川田 菜穂子 大分大学, 教育学部, 准教授 (90608267)
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研究分担者 |
平山 洋介 摂南大学, 現代社会学部, 教授 (70212173)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地方圏 / 住宅困窮 / 住宅セーフティネット / 住宅政策 / 居住支援 / 立地不利 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、都市圏とは異なる特性をもつ地方圏の住宅困窮の実態を明らかにし、それに対応する住宅セーフティネットのあり方を検討することを目的とする。地方圏においては、住宅ストックの老朽化や耐震性の欠如、不利な立地や地域コミュニティの脆弱化を背景に、居住の継続に困難や不安を抱える世帯が増加している。公的統計のミクロデータ分析や独自調査の実施・分析を通じて、これまで捉えられていなかった潜在的な住宅困窮層を可能な限り量的に把握するとともに、空間・地理的分析を行い、地方圏の住宅困窮の発現の特性をより具体的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、主として以下の3つに取り組んだ。 ①住宅困窮の概念・理論の検討:2022年度に引き続き、住宅困窮を的確に捉え、実態(量的)把握を行うための手法について検討した。地方圏における住宅困窮の特性をふまえ、新たな視座を得るために、大分県内自治体の居住支援ネットワーク会議へのオブザーバーとしての参加や、居住支援法人へのヒアリング、セーフティネット住宅や支援付き住宅への視察を継続した。 ②地方圏における住宅困窮の量的把握:住宅・土地統計調査・国勢調査・全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)や自治体等の公的統計データの収集を引き続き行い、多次元的な住宅困窮の実態や傾向を捉えた。また、地域特性(人口規模、人口密度・高齢化率、外国人比率等)や住宅特性(住宅所有関係、立て方、構造、築年数、空き家率等)に着目し、大分県内自治体のクラスター分析などを試みた。 ③地方圏における住宅困窮の地理的・空間的把握:主として大分市を事例として、住宅困窮の実態を地理的・空間的に把握した。大分市は地方の中核市であるが、市町村合併により農山漁村地域を含み、中心市街地(平地)、郊外(丘陵上の住宅団地)、中山間地域・沿岸地域の集落等から構成される。ArcGIS等の地理空間情報システムを利用して、小地域別に居住者、住宅建物、都市計画・土地利用等のデータを分析し、住宅困窮の地理的・空間的偏在を把握した。2023年度はとくに立地適正化計画における居住誘導区域(大分市では居住推奨地区域)外に着目し、その動向を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最新年の調査のデータ提供を待っていたため、匿名データの分析が遅れているが、2024年度中に実施できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、以下の①~④を推進する。 ①地方圏における住宅困窮の量的把握(2024年度):2023年度に引き続き、住宅・土地統計調査・国勢調査・全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)や自治体等の公的統計データの収集を引き続き行う。さらにミクロデータの入手・分析を通じて、多次元的な住宅困窮の実態や傾向を捉える。地域特性(人口規模、高齢化率、地形・立地等)に着目し、都市圏と比較した地方圏の住宅困窮のかたちを把握する。 ②住宅困窮の要因把握(2024年度・2025年度):住宅セーフティネットでは、高齢者、低額所得者、子育て世帯、障害者、被災者等が対象となっている。ここでは、①にあげた公的統計データやそれらのミクロデータを用いて、どのような属性をもつ個人や世帯が、どのような住宅困窮の状態にあるのかを実証的に明らかにする。 ③地方圏における住宅困窮の地理的・空間的把握(2024年度・2025年度):2023年度に引き続き、主として大分市を事例として、住宅困窮の実態を地理的・空間的に把握する。ArcGIS等の地理空間情報システムを利用して、地区別に居住者、住宅建物、都市計画・土地利用等のデータを分析し、住宅困窮の地理的・空間的偏在を把握する。あわせて、住宅困窮の特性により地域を類型化し、居住者や居住支援関係者を対象とした事例調査(アンケートまたは個別ヒアリング)を行い、具体的な住宅困窮の実態を明らかにする。 ④地域の特性に応じた住宅セーフティネットの検討(2025年度):前年度までの調査結果をふまえて、地域の特性に応じた住宅セーフティネットのあり方を検討する。公営住宅の供給のみならず、市場・非市場における住宅ストックの実情をふまえながら、重層的かつ柔軟な住宅・居住支援のあり方を提言する。
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