研究課題/領域番号 |
23K22950
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補助金の研究課題番号 |
22H01680 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
砂田 茂 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70343415)
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研究分担者 |
米澤 宏一 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (00362640)
菅原 瑛明 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (00884800)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 小型電動飛行機 / 垂直尾翼 / 上反角 / 横風 |
研究開始時の研究の概要 |
小型飛行機の問題である横風への脆弱性を解決するために、数値計算を基に提案したQNDD(Quasi―Neutral Dihedral effect and Directional stability)機について、その実現可能性を風洞試験、CFD、飛行試験、フライトシミュレータで検討する。さらに、これまでの飛行機の上反角効果、風見安定について検討し、約100年間にわたる飛行機の標準形状について検討する。
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研究実績の概要 |
①プロペラ性能、プロペラとの干渉下にある主翼性能をCFDで検討する前段階として、CFDの結果と比較するためのデータを得るために風洞試験を行った。風洞試験においては無風状態での測定と有風状態での測定を行い、それらの測定値の差を主翼に働く空気力、空気力モーメントとする。しかし有風時、主翼が大きく弾性変形し、有風時、無風時において主翼形状が異なる。このため、主翼に働く重力、重力によるモーメントが同一にならず、上記の方法で主翼に働く空気力、空気力モーメントが精度良く求められないという問題が発生した。検討によって、揚力、抗力の測定精度を高めるためのロードセルの配置法を得た。ローリングモーメントは可能であれば風洞試験でも求めたいものであるので、風洞試験方法のさらなる改良の検討が必要である。さらに、主翼とマルチプロペラの干渉によるコントロールモーメントの増大を解析的に示した。この事実はQNDD機の実現可能性を高めるものである。この成果をまとめた論文を投稿中である。 ②小型飛行機の横風遭遇時の飛行試験も手掛け始めたが、飛行の定量的データを取得するまでには至っていない。 ③飛行試験用のプロペラを有するQNDD機を製作するために、プロペラの存在によるQNDD機の機体形状の変化を解析的に検討した。その結果、プロペラを考慮に入れると、主翼の前進角を小さくしてもQNDD性能が得られることが明らかになった。主翼の前進角が小さくなると構造上の制約が小さくなり、QNDD機の実現性が高まった。ただし、この解析において①で対象としている主翼とプロペラの干渉の効果は含まれていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロペラの存在によって前進角が抑えられ、QNDD機の実現性が向上したことは、想像していなかった大きな成果である。主翼とプロペラとの干渉によるコントロールモーメントの増大も解析的に示すことができた。この成果は論文としてまとめ投稿中である。一方、風洞試験によって横風遭遇時の主翼とプロペラとの干渉を調べる際、翼の弾性変形によって風洞試験結果に大きなエラーが含まれたのは、風洞試験を実施して初めて明らかになった事実である。また、小型飛行機の飛行試験も手掛け始めたが、定量的データを取得するまでには至っていない。以上の様に、想像を超える進捗が得られた項目と、予定した程、進捗しなかった項目とがある。本研究の最大の目的は、QNDD機の実現性の向上であるので、上記の2つの要素を合わせて、「おおむね順調に進捗している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
プロペラの存在によって、QNDD機実現の可能性が大きくなった。ただし、これまでの解析において、主翼とプロペラの干渉の効果は含まれていない。風洞試験、CFDによって、主翼とプロペラとの干渉が主翼に働く空気力に及ぼす影響を明らかにし、同干渉の効果を含めたQNDD機のコンフィギュレーションや実現可能性を検討して行く。風洞試験において主翼の弾性変形が大きいが、揚力、抗力の測定可能性は高まってきた。しかし、横風遭遇時のローリングモーメントの測定は未だ困難な状態にある。揚力、抗力について風洞試験とCFDの結果を比較検討し、それらにおけるCFDの精度の高さが確認できれば、ローリングモーメントはCFDの結果に依存する方向性もありえる。 スパンが15cm程度の機体による室内での横風遭遇試験、スパン1m程度の機体での屋外飛行試験を目指し、準備を継続する。この準備に上記、風洞試験、CFD、理論解析の結果を取り込んで行く。
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