研究課題/領域番号 |
23K22954
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補助金の研究課題番号 |
22H01684 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
河内 俊憲 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (40415922)
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研究分担者 |
鈴木 博貴 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (10626873)
田中 健人 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (40911011)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 高レイノルズ数 / 先進レーザ計測 / 非定常空気力学 / 非定常空力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、レイノルズ数を大きく変化させた条件で、付着境界層や衝撃波-境界層干渉に伴うはく離の詳細なデータを、PIV、LSV、油膜干渉法といった先進画像計測を用いて取得する。加えて、これらデータを用いて検証した高忠実な数値計算に機械学習を併用することで、高レイノルズ数流れにおけるはく離の計算モデル構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、レイノルズ数を大きく変化させた条件で、付着境界層や衝撃波-境界層干渉に伴うはく離の詳細なデータを先進画像計測を用いて取得し、これらデータを用いて検証した高忠実な数値計算に機械学習を併用することで、高レイノルズ数流れにおけるはく離の計算モデル構築を目指している。 2023年度、実験としては大きく2つの成果を得た。一つ目は付着境界層の実験を通じた計測システムの改良で、二つ目は斜め衝撃波導入法の確立である。既存のシステムでは本研究での鍵となる流速と壁面せん断応力を同じ位置、また同時刻に計測することは困難であった。後述する斜め衝撃の導入方法の変更と併せて、油膜干渉法にカメラキャリブレーションとミラーを導入することで、これを改善した。斜め衝撃波の導入方法としては、既存の金属製ランプブロックの挿入から3Dプリンター製樹脂ランプのガラス面への接着による方法に変更した。これにより、計測したい任意の位置に容易に任意の強さの斜め衝撃波の導入が可能となった。現状、これら改良したシステムを用いた詳細なデータ取得は出来てないため、2024年度以降、これを行う。実験に対応する数値計算に関しては、衝撃波-境界層干渉の高解像度計算を実施できた。得られた結果を文献値と比較したところ、これまで用いてきたスキームでは、境界層のはく離の状況(圧力変動やはく離長さ)を正確に捉えることが困難であることが分かった。現在、高精度・高忠実、かつ斜め衝撃波を導入する境界条件に対応可能なスキームの開発を行っている。高レイノルズ数流れにおける壁面せん断応力を予測する深層学習モデルの構築に関しては、モデルの入力となる流速分布の高さ方向位置を壁面に近づけることで、ロバスト性が改善すること、また正解データとなる壁面せん断応力値の学習確立を均等にすることで、さらなる精度・ロバスト性の改善が見込めることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施計画として「1)大気吸込み超音速風洞を用いた付着境界層の詳細データ取得の継続」、「2)大気吸込み超音速風洞実験における斜め衝撃波の導入」、および「3)加圧吹出し風洞実験の準備」「4)実験データ公開の準備」、「5)付着境界層および衝撃波-境界層干渉の高解像度数値計算」、および「6)付着境界層の深層学習を用いた数理モデルの改良」を挙げていた。 1)と2)に関しては、先に記載した通り目標の達成できた。しかしながら、3)に関しては本年度、大学での実験棟の移設があり、移設および移設後の装置検証等に注力する必要が生じ、ほとんど行えなかった。4)に関しては、新規にネットワークストレージの購入を行い、まずは研究室内でのネットワークを用いたデータ共有までは達成できた。5)と6)に関しても、先に記載した通り、一部対応中の問題はあるけれども、達成できている。しかしながら、本研究でキーとなるレイノルズ数を大きく振った実験として重要となる3)が遅れていることから、これらを加味し、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度、大気吸込み式超音速風洞を用いた実験に関しては1)衝撃波-境界層干渉の詳細データの取得を行う。具体的にPIVによる広域での速度データの取得、PTVによる壁面近傍での速度データの取得、オイルフローによるはく離の可視化、および油膜干渉方法による壁面せん断応力データの取得を行う。レイノルズ数を変化させる実験としては、2)境界層レイノルズ数を増加させる加圧吹出し風洞実験の準備を進め、初期実験を行うと共に、小型の大気吸込み風洞を用いた実験を導入し、少なくとも境界層レイノルズ数を下げた実験を併せて行うことで、研究が手詰まりとならないようにする。数値シミュレーションに関しては、3)高精度・高忠実、かつ斜め衝撃波を導入する境界条件に対応可能なハイブリットスキームの開発を継続し、衝撃波-境界層干渉における高精度計算データの取得を行う。数理モデルに関しては、4)現在行なっている深層学習モデルの改良、特に正解データの選択的学習を行い、モデルの高精度・高ロバスト化を推し進める。またこれと併せて、衝撃波-境界層干渉に対して、これまで構築してきた深層学習を適用し、数理モデルの構築が可能か検討を開始する。
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