研究課題/領域番号 |
23K22958
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補助金の研究課題番号 |
22H01689 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
津田 雄一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50370101)
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研究分担者 |
森下 直樹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (20815790)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 太陽系探査 / 宇宙推進 / 誘導航法制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,これまでわが国が探査したことがない宇宙科学のフロンティアである超遠方の小~中サイズの天体(3au以遠の1km~1000km級天体)を対象とし,天体表面への複数回の自在な離着陸・低空滞空を実現するための技術を目指したものである.特に,これまで深宇宙ミッションではあまり着目されてこなかった固体モーターを活用し,推進系技術・誘導航法制御技術の観点から,簡素かつ自由度の高い天体アクセス手段を実現することを目的としたものである.
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研究実績の概要 |
今年度は当研究1年目にあたり,研究の立ち上げ,予備検討を中心に活動を行った.年度当初に設定した研究計画に沿って,[a]強摂動下の天体界面における誘導制御手法の体系化,[b] 小型固体推薬の小天体着陸体への適用性の探求,[c] 誘導航法手法と固体推進系の統合および考察 の3つの方向性で研究を進めた. [a]においては,固体ロケットモーターのジンバルを制御入力とする小型着陸体の姿勢制御法について案出を行い,ジンバルによる能動姿勢安定化方式,スピンによる受動姿勢安定化方式,角運動量蓄積デバイスを用いたハイブリッド方式等を比較検討した.また,鉛直方向の誘導最適化手法については,凸計画法を用いた最適誘導経路設計等を実施した.[b]においては,当研究が目指す小型着陸体の簡素化の要である固体ロケットモーターの検討・予備設計を実施した.基本的なモーターサイズ,燃焼速度などのパラメータに加え,深宇宙での保存性,温度耐性,光学センサーとの干渉の少ない薬種の検討等を実施した.試作した固体モーターを燃焼試験に供し所望の性能を発揮していることを確認した.[c]においては,当研究の根幹となる中重力天体の鉛直方向誘導制御を模擬する実験環境を模索した結果,水平直線レール(ロケットスレッド)を用いる方式を案出し,予備調査を実施した.また[a][b]の活動と連携しつつ小型着陸体のコンセプトの整理を進め,関連する専門家との研究会の開催,複数の学会発表等を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初掲げた3つの活動項目:[a]強摂動下の天体界面における誘導制御手法の体系化,[b] 小型固体推薬の小天体探査への適用性の探求,[c] 誘導航法手法と固体推進系の統合および考察 についていずれも計画通り進捗できた.[b]においては,固体ロケットモーターの調達難航に伴う繰り越し手続きを行ったが,最終的に当初計画通りの活動を完了し,次年度以降の活動に繋げることができている. 上記に加えて,当研究のコンセプトを実証する手法として,水平直線レール(ロケットスレッド)を用いる方式を案出し,その管理機関と研究協力関係を構築できたことは,当初の計画を上回る成果である.
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今後の研究の推進方策 |
当年度の成果を踏まえ以下の活動を実施する.[a] においては,水平直線レール(ロケットスレッド)を用いた着陸模擬フィールド試験の供試体の試作を行うとともに,数値実験による評価を進める.[b]においては,昨年度の検討を踏まえ,小型着陸体用固体ロケットモーターの本設計を実施する. 実施に際しては,当該分野の関係者や企業の専門家を招いた研究会等を実施する.また検討結果は随時学会等での発表を行う.
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