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アミン基含有物質不揮発化に伴う疎水的CO2吸着機構解明と閉鎖系CO2除去法の創生

研究課題

研究課題/領域番号 23K22959
補助金の研究課題番号 22H01690 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分24010:航空宇宙工学関連
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

桜井 誠人  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究領域主幹 (80344258)

研究分担者 稲垣 冬彦  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (80506816)
島 明日香  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (80570035)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワード宇宙 / ECLSS / 疎水性 / 吸着 / CO2分離濃縮 / CO2除去技術 / 吸着特性 / 温度・湿度計測 / 有人宇宙技術 / 生命維持技術 / 密閉式吸着性能評価 / 流通式吸着評価 / 二酸化炭素 / 吸脱着 / 物質循環 / 有人宇宙 / SDGs / CO2 / 吸着剤 / 閉鎖空間
研究開始時の研究の概要

閉鎖環境下では連続的なCO2除去が必要である。一部のフェニル基含有アミンは、従来のCO2吸着剤と異なり空気中の湿分共存下でもCO2だけを吸着する特長から、近年新たなCO2吸着剤として注目されているが、化合物自体の揮発性という課題がある。本研究では、選択的CO2吸着特性を有するフェニル基含有アミンの担体への修飾により、高いCO2吸着特性・疎水性・不揮発性を兼ね備えた機能性材料を創製する。そしてこれらの機能発現と高分子構造との関連性や、高分子材料特有のCO2吸着機構を解明することで、様々な環境下で利用可能な高分子CO2吸着剤を創製する基本原理を明らかにする。

研究実績の概要

ISSで運用されているCO2除去装置は前段にシリカゲル、後段にゼオライトを用い4筒式で運用されている。水分を吸着しない吸着剤があれば除湿筒が不要となるので2筒式で運用が可能となりシステムが半減する。また、NASAのCO2除去装置CDRAは204℃程度の加熱であるが、本吸着剤は80℃~140℃程度の加熱で良いため省エネルギー化が期待できる。
i) 疎水性もしくは水分存在条件でもCO2を吸収する吸着剤の候補を想定し16種類のサンプルを収集し、新規合成も行った。密閉式のCO2・水分吸着評価装置を改良し、順次小規模のスケールで吸着特性の評価を行った。また、アミンの固定化に関しては高分子に固定化する検討も行った。市販のアミン化合物20種程度を密閉式評価法で評価した。加熱や減圧に関して揮発しない条件を探索した。流通式評価法を用いて吸着特性を評価した。
ii)結論として、水分を全く吸収しない疎水性CO2吸着剤を見出すことはできなかった。しかしながら、水分とCO2が共存している環境においてCO2を吸着可能な剤を見出した。無機質の吸着剤は耐久性も期待できるため、研究の方針を少し変えアミン系以外の吸着剤も評価の対象とすることにした。
iii) 流通式によるCO2吸着特性計測: i)において最も有望な水分存在条件でもCO2を吸収する吸着剤を選択し、脱着温度、流通空気湿度をパラメータに取り水分の吸着量が最も少なく、CO2吸着量が多い条件を見出した。某社が新規アミン化合物を合成してくれたがCO2吸着特性は見受けられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【密閉式吸着性能評価】昨年度までは吸着剤の加熱脱着を密閉容器の外で行い、重量計量は容器の中で行っていたが、加熱能力付き重量計を密閉容器の中に入れたため、サンプルの出し入れが無くなり誤差が少なくなった。
1)有望であったキシリレンジアミンは製造中止になってしまい、吸着剤探索が振出しに戻った。2)アミン系化合物製造会社のA社と連絡を取り、新規の化合物を合成し、高いCO2吸着能力を期待できそうな3種の化合物を合成してくれたが、実験の結果CO2吸着能力は高くなかった。3)液体の吸着剤を固体になるように新規合成した、しかしCO2吸着能力は高くなかった。4)ある種の無機物系吸着剤は水分の存在環境でもCO2を強く吸着すること情報を得た。5)複数の無機系吸着剤を入手し評価したがCO2の吸着は見受けられなかった。メーカーと技術的な意見交換をした結果、某社の無機系吸着剤は CO2を強く吸着することを確認した。6)某社に問い合わせたところその粉末でペレットも製造していると聞きペレットを入手した。
結論として、水分を全く吸収しない疎水性CO2吸着剤を見出すことはできなかった。しかしながら、水分とCO2が共存している環境においてCO2を吸着可能な剤を見出した。CeO2はすでにペレット化されており、無機質であるので耐久性も期待できるため実用に一番近いと判断した。
【流通式吸着評価】CO2濃度および流通空気の湿度、脱着温度を制御できる流通式吸着特性評価装置を試作した。流通式吸着評価が可能となり、現状で最適な吸着剤を選択した。

今後の研究の推進方策

現状では【密閉式吸着性能評価】の吸着材量は1-10g程度の非常に小さいスケールで行っている。アミン系の吸着剤は数多く実験できた。アミン系以外の吸着剤も実験できるように高温で脱着できるようにする。
【流通式吸着評価】は、空気流量が1[L/min]であり、処理量としては1/100人分のCO2を除去する小さいスケールで試作を行った。アミンや無機物の流通式吸着評価が制限性良く評価できるように改良する。
ペレット化した吸着剤を入手したが強度が弱いように見受けられる、技術成立性を確認するべく吸着剤ペレットの強度化などを検討してゆきたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Preliminary Study of Moisture Absorption and Desorption in CO2 Removal System2023

    • 著者名/発表者名
      Masato Sakurai, Asuka Shima, Kentaro Hirai, Chiaki Yamazaki, Shotaro Futamura, Satoshi Matsumoto and Hideki Saruwatari
    • 雑誌名

      52nd International Conference on Environmental Systems

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 小型省電力を目指した二酸化炭素除去システムの開発 -粒状酸化セリウムを用いた場合-2023

    • 著者名/発表者名
      寺尾卓真,佐藤元彦,桜井誠人,島明日香,梶浦梨央,佐々木健,福島碧都, 宮川陸大
    • 学会等名
      第 67 回宇宙科学技術連合講演会講演集 2023年10月@富山, JSASS-2023-40996
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ECLSS研究・開発の論点2022

    • 著者名/発表者名
      桜井誠人
    • 学会等名
      第56回宇宙科学技術連合講演会講演集 JSASS-2022-3J01
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 有人宇宙学: 宇宙移住のための3つのコアコンセプト2023

    • 著者名/発表者名
      山敷 庸亮 (編集)、土井隆雄、山崎直子、桜井誠人
    • 総ページ数
      358
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      9784814004942
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] "ぬれ性"の制御と表面処理・改質技術2023

    • 著者名/発表者名
      桜井誠人
    • 総ページ数
      547
    • 出版者
      技術情報協会
    • ISBN
      9784861049774
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 科学者と読み解く、 「月世界」が描く夢の先2023

    • 著者名/発表者名
      桜井誠人
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      JAXA
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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