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海洋開発よる魚類への影響評価手法の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 23K22963
補助金の研究課題番号 22H01694 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分24020:船舶海洋工学関連
研究機関東京大学

研究代表者

多部田 茂  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40262406)

研究分担者 水野 勝紀  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70633494)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
キーワード人工構造物 / 魚類動態モデル
研究開始時の研究の概要

漁業が重要な産業である我が国においては、新たな海域利用を展開する際に魚類の分布や資源量への影響は重要であり、そのための手法の開発は喫緊の課題である。そこで、人工構造物周辺の魚類の行動、および海域利用の変化が魚類分布の変動や資源量に与える影響を把握・評価する手法を高度化する。人工構造物周辺のスケールと、湾灘スケールの双方において、それぞれの目的に応じたモニタリング手法によって魚類の動態およびそれに影響を与える因子との関係を把握する。それに基づいて、物理環境や水質、餌環境等も考慮した魚類動態モデルを高度化し、海洋エネルギー施設を考慮したシミュレーションを行いその影響を評価する。

研究実績の概要

人工構造物まわりの魚類行動の把握については、構造物周辺の音響ビデオカメラによるモニタリング結果を解析し、個々の魚の動きをトラッキングすることによって観測領域内の滞留時間を算出した。構造物近傍における魚の平均滞留時間が日周変動していることなどがわかった。また、湾灘スケールの魚類動態の把握については、漁具に環境計測センサーを装着することによって、海域環境(水温、塩分、溶存酸素など)と魚類の分布を同時にモニタリングする方法によって取得したデータを用いて、年によって異なる環境条件を踏まえて環境条件と魚類分布の関連を整理する方法について検討した。魚類の資源密度を説明する変数として、空間的な水温偏差が有効である可能性などを見いだした。さらに、水温や溶存酸素などの環境条件のシミュレーション精度について、小型底びき網漁船による計測との比較を行い、従来データが少なく検証が難しかった底層における空間分布の再現性について検討した。
海洋エネルギー生産施設の影響についてのシミュレーションに関して、洋上ウインドファームを対象として、構造物の物理的な影響や付着生物の影響を考慮して、着定式の風車の基盤が流れや水質に与える影響のシミュレーションを行った。また、大規模な洋上ウインドファームについて、ファーム内で漁業が制限される影響や風車基盤周辺の生物の生息環境が変化することをモデル化し、食物網を考慮して生態系全体への影響を空間的に評価できるモデルを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

人工構造物まわりの魚類行動の把握については、構造物周辺の音響ビデオカメラによるモニタリング結果を解析し、魚礁効果の評価に用いられる滞留時間の算出手法を構築した。また湾灘スケールの魚類動態の把握については、魚類の資源密度を説明する変数の検討を行った。さらに、海洋エネルギー生産施設の影響について、洋上ウインドファームを対象とした流れ、水質、生態系などのモデルを構築し、影響のシミュレーションを行った。

今後の研究の推進方策

人工構造物まわりの魚類行動の把握については、構造物周辺の音響ビデオカメラによるモニタリング結果を解析し、個々の魚の動きをトラッキングすることによって観測領域内の滞留時間を算出したが、より広範囲のモニタリングを行うためのシステムを構築する。また、湾灘スケールの魚類動態の把握については、環境条件から魚類の資源密度推定するための機械学習等の手法を検討する。さらに水温や溶存酸素などの環境条件のシミュレーション精度の向上のために、小型底びき網漁船による計測データを同化することを試みる。
海洋エネルギー施設近傍では、構造物による魚類の蝟集・回避行動のモデル化について引き続き検討を行う。魚類の行動のモデル化の際に考慮する因子として、水温や溶存酸素などの水質に加えて餌量による選好の導入を検討するとともに、個体ベースモデルの導入を検討する。洋上ウインドファームを対象として、ファーム内で漁業が制限される影響や風車基盤周辺の生物の生息環境が変化することをモデル化し、食物網を考慮して生態系全体への影響を空間的に評価できるモデルを構築したが、モデルの妥当性等に関する検討を行う。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] Evaluate impact of offshore wind farms on marine species based on food2024

    • 著者名/発表者名
      Jialu Wang, Shigeru Tabeta, Katsunori Mizuno, Yutian Ding
    • 学会等名
      The 11th East Asian Workshop for Marine Environment and Energy
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Assessment Strategies for High Sustainable Standard Offshore Wind2024

    • 著者名/発表者名
      Yutian Ding, Shigeru Tabeta, Jialu Wang
    • 学会等名
      The 11th East Asian Workshop for Marine Environment and Energy
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Development of Ecopath in Ise Bay and examination of resource fluctuation factors by Ecosim2023

    • 著者名/発表者名
      Kusano., Tabeta S.
    • 学会等名
      The International Society for Ecological Modelling Global Conference 2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Neural network models for catch prediction of bottom otter trawling using water quality and fish catch data2023

    • 著者名/発表者名
      Suzuki S., Tabeta S.
    • 学会等名
      The International Society for Ecological Modelling Global Conference 2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Comparison of the water quality simulation to the observation by fishing boats in Ise Bay2023

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Kimura, Shuho Nakasu, Shigeru Tabeta, Shota Suzuki, Takuya Maruyama
    • 学会等名
      OCEANS 2023 Limerick
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 音響ビデオカメラを用いた人工構造物周辺における魚類動態の把握2023

    • 著者名/発表者名
      古市楓、岩田裕真, 多部田茂, 水野勝紀
    • 学会等名
      日本沿岸域学会第35回研究討論会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Numerical Simulations for Impacts of Offshore Wind Power Facilities on Currents and Water Quality2022

    • 著者名/発表者名
      Koki Miki, Shigeru Tabeta, Katsunori Mizuno
    • 学会等名
      Proceedings of ASME 2022 41st International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 漁船ロガーデータを用いた伊勢湾におけるマアナゴの分布推定に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      菅野晃太, 多部田茂, 丸山拓也、鈴木翔太
    • 学会等名
      日本沿岸域学会研究討論会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 東京湾におけるスズキ動態モデルの構築2022

    • 著者名/発表者名
      青木大英, 多部田茂, 高橋裕一郎
    • 学会等名
      日本沿岸域学会研究討論会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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