研究課題/領域番号 |
23K22965
|
補助金の研究課題番号 |
22H01696 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
牧田 寛子 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (40553219)
|
研究分担者 |
高橋 恵輔 香川大学, イノベーションデザイン研究所, 特命教授 (00972126)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | セメント系材料 / 海洋環境 / 微生物機能 / 深海底 / 深海 / 耐久性 / コンクリート |
研究開始時の研究の概要 |
インフラの老朽化の問題は世界中で喫緊の問題となっている。この問題は, インフラの耐用年数毎に生じるが, 経済的な損失を考えると, より耐久性のある材料を用いることや, 修復や再生が容易にできる材料の開発が重要な課題である。そこで本研究では, 海洋環境(特に深海環境)に着目し, その場に生息する微生物の機能を用いて, インフラ材料の耐久性を向上させる方法やメカニズムを解明することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
今年度は、深海環境でのセメント系材料の物理化学的変化や生物学的影響を明らかにするために、実環境へ浸漬していた様々な組成・配合のセメントペーストおよびモルタル試験体を回収した。また比較のために実施していた室内の海水水槽へ浸漬していた試験体の回収および新たな試験体の浸漬実験を開始した。浸漬実験に使用したセメントペースト試験体の一部は、フライベルク工科大学のBier教授の指導のもと作成した。浸漬した試料の回収後、電子顕微鏡による観察や、回収した試験体からセメント系材料存在環境下を好む微生物の単離培養を試みた。さらに実験室内で実施したセメントペースト試験体の浸漬実験にて、微生物の持つ機能によって、溶液中のpHや各種イオンがどのように変化するかを調査し、セメント系材料に対する微生物学的な影響の評価手法の確立を試みた。 昨年度までに試験体からの微生物DNAの採取・抽出手法を検討していたが、今年度も引き続き検討を実施した。また、セメント系材料にもたらされる微生物機能を深く理解するために、電子顕微鏡観察手法の確立、微生物の持つ機能(炭酸塩やバイオフィルムの形成能)の確認手法の検討、そして熱重量示差熱分析(TG-DTA)の技術習得に努めた。 これまでの成果を議論し発展させるために、2023年6月にフライベルク工科大学にて、国際ワークショップ「Workshop on Carbonation and Micro-structure」を開催し、今後の課題の確認や更なる協力体制を確立した。研究成果の一部は学会にて発表し、そのうち2件でポスター賞および優秀発表賞を受賞した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標であった、実環境等に浸漬した試験体の回収、浸漬前後の物理化学的な変化の確認、や熱重量示差熱分析(TG-DTA)手法技術の習得、次世代シーケンサー等を用いた微生物叢の確認や電子顕微鏡による観察手法を確立し、いくつかの試料についてそれらの解析を実施することができた。さらに、回収した試験体からセメント系材料存在環境下を好む微生物の単離培養に成功した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに回収した実環境に浸漬していた試験体について、電子顕微鏡、X線回折装置(XRD)や熱重量示差熱分析(TG-DTA)等を用いて浸漬前後の物理化学的な変化の詳細を明らかにする。また、微生物学的な影響を確認するために、単離に成功した微生物を用いた室内実験にて、機能遺伝子の確認、電子顕微鏡による観察、バイオフィルムや炭酸塩形成等の確認、微生物が産生したバイオフィルムの構造解析手法や特性評価手法を確立する。
|