研究課題/領域番号 |
23K22969
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補助金の研究課題番号 |
22H01700 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 博善 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00252601)
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研究分担者 |
井上 朝哉 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 技術開発部, 主任研究員 (10359127)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | ドリルパイプ / Weight on Bit (WOB)推算 / 水中変形挙動 / WOB / 変形挙動 / 潮流中変形挙動 / WOB推算 / 潮流中挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,海洋掘削におけるライザーレス掘削(ドリルパイプのみを用いる掘削)の安全性向上(ドリルパイプの折損の回避)および効率向上(適正なドリルビット荷重(Weight on Bit:WOB)の継続的な印加)への貢献のための,潮流中ドリルパイプの水中挙動推定に基づくWOB変動のオンボード・リアルタイム推定法の開発に関する研究を実施する.
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研究実績の概要 |
近年,海底鉱物やメタンハイドレイトなどの新たな資源探査,地震の発生メカニズム解明などの科学調査のための海洋掘削が行われ,その重要度が増している.本研究では,ドリルパイプの水中挙動推定に基づく変動のオンボード・リアルタイム推定法の確立を目的とする. 本年度は,以下の研究を実施した.1)模型実験:非定常流中での模型ドリルパイプの挙動,WOB(Weight on Bit:ドリルビットにおける掘削荷重)の計測を実施した,これは,大阪大学船舶海洋試験水槽において,模型ドリルパイプを回転させながら曳航し,模型ドリルパイプの水中挙動を計測,同時にWOBを計測したものである.残念ながら変位計測は行えず,観測のみ行った,WOB計測には,検力計を水中,水面上2系統使用して時々刻々変化するWOBの計測を行った.一様流中および非定常流場の模擬を目指した波浪中での計測も実施したが,大阪大学船型試験水槽で発生できる波程度では非定常影響は見られなかった.2)実船でのドリルパイプ変形計測の可能性の検討とJAMSTEC内の調整を実施した.実船でのドリルパイプ変形計測に備え,計画される地球深部掘削船「ちきゅう」の運航計画および海洋掘削の実施計画の把握,この上で,本研究に対応できる航海の選択,実機計測の準備作業を行う計画であったが,コロナウイルス感染症の余波で,思うように訪船できず,十分な作業が行えなかった,3)WOBの変動メカニズムの考察,WOB変動推定法の開発を行った,模型実験で得られた模型ドリルパイプの変形の時系列計測値およびWOBの時系列計測値を用いて,模型ドリルパイプの長手方向の形状の変動とドリルパイプ先端でのWOBの変動の相関から,WOBが変動するメカニズムを考察,変動要因を抽出の上,ドリルパイプの変形挙動を基礎とするWOBの変動推定法を考案した.今後プログラムに組み込んでいくことを計画している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドリルパイプの水中挙動推定に基づくWOB推定に関する研究について,数値計算法の確立,水槽事件という観点での模型スケールでの研究は順調に推移した.一方で,計算の有効性を検証するための実践計測については,コロナウイルス感染症の5類移行してから後も,船という特殊な閉鎖環境での計測準備となるため,その後しばらくも訪船が難しく,結局は,実船での計測計画の策定,計測の準備作業に遅れが生じた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,実船でのドリルパイプ変形挙動観測/計測の準備に力を注ぎ,遅れを取り戻すことに注力する一方,ほぼ完成している模型スケールでの数値解析によるドリルパイプ水中変形挙動推定/WOB推定法をもとに,実機のドリルパイプ水中挙動推定/WOB推定に拡張することを目指す.さらに,リアルタイム推定を目指すので,潮流の計測値を入力し,リアルタイムで計算を行えるようなアルゴリズムの開発,および計算の高速化の実施を行う予定である.
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