研究課題/領域番号 |
23K22989
|
補助金の研究課題番号 |
22H01720 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
瓜生原 葉子 同志社大学, 商学部, 教授 (70611507)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 行動変容 / ウェルビーイング / 幸福尺度 / 共創プロセス / ソーシャルマーケティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「変容した個人,その介入を共創・実施した人々両方の幸せにつながる政策策定のプロセス」を明らかにするため、諸外国モデルと実装例の明確化,複数の行動における影響因子の探索,仮説モデルの導出と社会実装による実証について,14分野の学際的・国際的なメンバーで議論を深めながら進める。また,官民の協力の基,医療,環境などの実装フィールドで,市民とともに政策の共創と実装を行う。期待される効果として,社会に望ましい行動を増やし,社会の課題解決に直接貢献すること,係わった人々の幸福感が可視化すること、関与したいと志す人を増やし,課題解決とウェルビーイングを両立する連鎖が生まれることが考えられる。
|
研究実績の概要 |
ソーシャルマーケティングの普及モデルの検討については、国際機関の協力を得ながら、研修プログラムの開発を行い、その実装による検証を1企業で行い、実施後の変容について調査中である。 医療資源に優しい行動(医療のエコ活動)、ならびに地球資源に優しい行動(環境のエコ活動)の変容促進モデルの構築については、①栄養バランスのとれた朝食の習慣化、②価値観を家族と共有する行動、③口腔ケア予防行動、④定期的な運動、⑤生物多様性保全行動に関して、ソーシャルマーケティングを用いた立案から実施、その態度・行動変容の分析を行った。イベントは、サイエンスアゴラへの出典、11月、12月に商業施設で開催し、延べ1,000名に介入を行い、態度・行動変容を測定した。その分析結果については、第14回ソーシャルマーケティング研究会で報告した。また、広く社会に還元するために、公式websiteに掲載した。 特に、環境保全行動のモデルについては、親子(小学生の子を持つ親世代)が生物多様性保全行動に関心を持ち、自ら調べるようになる「ストーリー性のある展示物と体験ブースを含めた教育プログラム」を開発し、実装・検証を試みた。さらに、その結果をまとめた動画を作成し、小学教諭400名と小学生の子をもつ親1,000名を対象とした定量調査を行い、教育プログラムの受容度と今後の展開について分析した。その結果、①学術的なプロセスに則って設計、②場所を問わず実施できる、③こどもの調べ学習につながり、参加後のフォローアップが可能という特徴とする教育プログラムを開発・実証した。 本プログラムについて、小学教諭の75.4%が「教育にとりいれてみたい」、親の73.4%が「地域コミュニティの場で受けてほしい」と回答した。そのため、ファシリテーター向けマニュアルや作成した。今後、本プログラムが活用されるよう実施の支援とその検証を続けたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って結果を着実に出し、社会に広く還元しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
目的①分野横断的に統合する方法論の明確化・構築,②行動変容促進モデルの構築,③行動変容と共創による幸福感尺度の開発に関する基本的な調査として,先行研究調査,探索的定性・定量調査と分析,インタビュー調査などを行い,その結果について,定期的に研究協力者と議論し,3月には多分野の研究者,ステークホルダーとともに議論を深める研究会を実施する。 ①では、欧州・豪州の最新のモデルの明確化、各モデルの具体的実装事例の把握として、海外で使用されている教科書の内容把握と比較検討、他国の導入事例収集と研究者へのインタビューを行い、日本に最適な教育プログラムと方法論を導出する。また、その検証も行う。 ②では、生物多様性保全行動,医療のエコ行動(質の高い睡眠の促進、価値観の共有、に関して、一般を対象とした探索的定性・定量調査、ターゲットからインサイトを得る定性・定量調査を行い、仮説を導出する。実装フィールド(京都)において、仮説検証型実装を行い、分析結果を基に、行動横断的な行動変容促進モデル(案)を導出する。 ③では、Nvivoを用いたシステマティックレビューの実施、既実施実装研究における関係者へのインタビュー調査を行い、それらを総合して尺度概念の抽出を行う。その際、共創に関わった人々を含めた討議も行う。 なお、多国間の最新情報を収集し,整理する必要があるため,国際協力メンバーとともに実施する。なお,データ分析や資料整理などに関してResearch Assistantを雇用し,若手研究者の育成も行う予定である。
|