研究課題/領域番号 |
23K23009
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補助金の研究課題番号 |
22H01741 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三浦 弘之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (30418678)
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研究分担者 |
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80242311)
劉 ウェン 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60733128)
Adriano Bruno 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (40831889)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 災害把握 / 深層学習 / リモートセンシング / 光学センサ / SAR / 建物被害 / AI / 自然災害 |
研究開始時の研究の概要 |
多様化する自然災害に対してレジリエントな社会基盤の構築を実現するには,汎用的で信頼性の高い被害状況の把握技術を確立しておくことが不可欠である。本研究では,天候に左右されずに安定的に観測可能な合成開口レーダ(SAR)と判読性能の高い光学センサによるマルチモーダルセンシングデータに対して,人工知能(AI)技術のひとつである深層学習を適用して,様々な自然災害に適用可能な建物被害分布の把握技術の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,地震・津波,水害,土砂災害,台風といったあらゆる自然災害に対応可能で,SAR画像および光学センサ画像によるマルチモーダルセンシングデータに基づく構造物被害の把握技術の構築および復旧活動支援のための経済被害の推定手法の構築を目指す。特に,【1】あらゆる自然災害に適用可能で,SARや光学センサ画像しか得られない場合およびSARと光学センサ画像の両方が得られた場合のいずれにも対応できる頑健で信頼性の高いAI災害把握技術を構築すること,【2】センシング画像から住宅の経済被害を直接推定する技術を開発すること,を目的とする。 当該年度は,2023年トルコ・シリアで発生した地震などを対象として,光学センサやSAR画像を用いて深層学習モデルの適用により,建物被害分布や被害棟数を自動推定する技術を検討し,現地調査データ等との比較からその妥当性を検証した。また,自然災害による建物の経済被害の推定技術の高度化を目的として,リモートセンシング画像に対する深層学習モデルにより推定される建物被害数と損害保険データによる損害割合の関係から,損害額を推計する技術を検討し,実際の損害額を精度良く再現できることを示した。さらに,土砂災害の発生危険度を事前に評価する手法の確立のために,DEMによる地形情報と航空レーザ測量データによる植生情報を用いて,機械学習により崩壊危険度を定量的に推定する技術を検討し,広島県での土砂災害事例との比較からその妥当性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた研究を概ね予定通りに遂行することができ,関連する研究の成果も公表することができた
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今後の研究の推進方策 |
当該年度は,昨年度までに構築した災害後のリモートセンシング画像と建物ポリゴンデータからのAI技術による建物被害の自動判別技術の適用性を検証する。具体的には,2023年2月に発生したトルコ・シリア地震や2024年1月に発生した能登半島地震で甚大な被害が生じた被災地を対象として,現地調査による被害データとの比較から構築した深層学習モデルの精度や汎用性を検討する。国内の災害データから構築した学習モデルを,海外の災害事例に適用する場合には,建物特性の違いなどを考慮する必要がある。そこで,AI技術のひとつである転移学習を適用し,現地の少数の被害データを再学習させることで,別地域の被災地にも適用可能なモデルの構築を行う。 また,自然災害による住宅の経済被害を自動的に推定する技術の構築のために,当該年度は水害による損害保険データを活用し,建物被害情報と経済被害の関係を整理し,リモートセンシングから判読される建物被害から簡便に水害による住宅の経済被害を推定する手法を検討する。
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