研究課題/領域番号 |
23K23036
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補助金の研究課題番号 |
22H01768 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安井 伸太郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40616687)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 強誘電体 / フェリ磁性体 / マルチフェロイック / k-Al2O3構造 / 強誘電性 / 磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はハイブリッド配位構造が導く強的秩序物性の解明とマルチステートの発現を目指す。ハイブリッド配位構造を有するk-Al2O3型構造材料群が示すマルチステートは、強誘電分極反転することによって、結晶内の4配位カチオンと6配位カチオンの配位数が入れ替わり、6配位と4配位を取り得る事を可能とする。従って、フェリ磁性を磁場で制御する事に加えて、電場で制御することも可能となり、単物質では不可能であったと考えられるマルチステートな強的秩序物性を発現する可能性を秘める。本申請は実験的にその証明を行い、新しい学理の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
高圧FZを用いて作製したScドープされたFe量1.25(Ga0.75)組成の単結晶を粉砕し粉末を得た。使用したSc量はx=0, 0.10, 0.15であった。作製した粉末においてXMCD測定にてFe L-edgeから得られるスペクトルより磁気モーメントの状態を解析した。Scの量と温度を変化させて実験を行った結果、Sc無ドープにおいては320KにてFe由来の磁気モーメントが存在することがわかった。また、酸素八面体から得られる磁化と酸素四面体から得られる磁気モーメントの方向は逆で有り、フェリ磁性であることがわかった。Scをドープしたサンプルにおいて、x=0.10および0.15で同様の磁気モーメントの振る舞いを示し、酸素八面体は無ドープと同様、酸素四面体から得られる磁気モーメントはほとんど無かった。構成される元素を考えると、GaおよびScは磁気モーメントを持たないので、Scをドープする事で優先的に酸素四面体サイトを占有すると考えられる。これを調査するために中性子回折を行った結果、XMCDから予想された結果とつじつまの合う結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通りに研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
構成元素と各サイトにおける磁化測定について研究手法を確立したので、ドーパントを磁性材料に変更してそれぞれの磁気モーメントにて議論することで本材料系の構造と物性について学理を深化させる。また方位を決定した単結晶材の合成についても充分に確立されたため、誘電性および磁性を主とする物性測定の展開を試みる。
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