研究課題/領域番号 |
23K23041
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補助金の研究課題番号 |
22H01773 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40335089)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 無鉛圧電体 |
研究開始時の研究の概要 |
圧電特性は電気分極の向きが異なる領域(ドメイン)を隔てるドメイン壁の運動と密接に関係するが、金属的な導電現象があるとされる荷電ドメイン壁 (CDW)が電気機械物性に果たす役割が十分に理解されていない。 本研究は、CDWの本質的な役割の理解とその制御の方法論を追求し、CDWの適正な導入の提案を含む学理の変革など、工業製品として多用途で使用される圧電体の高性能化に結びつける研究を実施する。
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研究実績の概要 |
圧電特性は電気分極の向きが異なる領域(ドメイン)を隔てるドメイン壁の運動と密接に関係するが、シングルナノスケールで金属的な導電現象があるとされる荷電ドメイン壁 (Charged Domain Wall, CDW)が電気機械物性に果たす役割が十分に理解されていない。さらに単結晶ではなく、結晶粒/粒界を含む複雑な材料組織の多結晶セラミックスにまで拡張できる議論自体が乏しい。本研究では、BaTiO3系の正方相セラミックス、(Na,K)NbO3系の斜方晶系セラミックスなどモデル材料とし、CDWの本質的な役割の理解とその制御の方法論を追求し、CDWの適正な導入の提案を含む学理の変革など、工業製品として多用途で使用される圧電体の高性能化に結びつける研究を実施する。 そこで、この上記目的を達成するために、2年度目は初年度に完成させた各種試験材料を用いて、力学的なフェロイクス評価を進めた。圧縮応力時の強弾性挙動を計測し、強誘電ドメインの運動に伴って観測される抗応力の変化を捉え、同時にインピーダンス分光法も組み合わせることによって、温度および力学負荷時の誘電緩和過程や電気伝導性を計測評価した。初年度に引き続き、電子顕微鏡や圧電応答顕微鏡などを用いてドメイン構造の観察とCDWの特定化を進めた。 以上の過程で得られた成果をとりまとめて、誌上および学協会で成果発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度目的として掲げた力学的なフェロイクス評価、電気的なインピーダンス分光をはじめドメインダイナミクスを捉え、さらに顕微鏡による局所微構造評価によってドメイン構造の特徴付けが達成できているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、海外を含む学内外との共同研究によって、圧電セラミックスにおけるドメインダイナミクスの解析を拡張する。 他材料系でもニオブ系と同じく直方晶セラミックスを得たことから、直方晶特有のドメイン構造およびCDWが電気機械物性に果たす役割を明らかにしていく。
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