研究課題/領域番号 |
23K23053
|
補助金の研究課題番号 |
22H01785 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
正井 博和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (10451543)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
|
キーワード | ガラス / 空隙 / 陽電子消滅 / 弾性率 / 構造 / 物性 / ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
陽電子寿命測定法の利点は、基本的には試料を破壊することなく、材料中の開孔・閉孔に依存せず、非晶質材料における空隙サイズ、特に、非晶質材料における数Åから数nm程度の構造の空隙サイズを定量化できることである。しかし、この陽電子寿命測定法が無機ガラスに対して、どの程度有用で、どこに評価法としての限界があるのかについての知見は、世界的に見ても確立されていない。本研究は、酸化物ガラス、および、結晶化ガラスを対象として、陽電子寿命測定法の適応範囲を明らかにすると同時に、定量化した空隙と、材料における物性との相関を明らかにすることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究は、主として酸化物ガラス、および、結晶化ガラスを対象として、陽電子寿命測定法を用いて空隙を定量化することにより、材料における中距離構造の空隙サイズと物性との相関を明らかにすることを目標とする。具体的には、(1)酸化物ガラスにおける陽電子寿命測定法の適応範囲を明らかにする。(2)ガラスにおける空隙サイズの変化と結晶化挙動との相関を定量的に議論する。そして、(3)陽電子寿命測定法により求めた空隙とガラスの物性(弾性特性や発光特性)との相関を解明する。これらによって、ガラスにおける評価方法の1つとして、陽電子寿命測定法の有用性を確立することが最終の目標である。 【2023年度研究実施計画】 2023年度は、陽電子寿命測定法を用いて、酸化物ガラスを熱処理して得られる結晶化ガラスについて、陽電子寿命測定により、結晶化挙動との相関を調査する。具体的には、溶融急冷法などにより作製した種々の酸化物ガラスを研究対象として、XRD,TEMなどにより求めた結晶子サイズ、超音波エコー法により求めた弾性率、あるいは、示差熱分析より求めた熱物性との相関を議論する。また、これらの試料について、微量の元素を添加したガラス試料を調製し、ドープした元素の濃度と算出される空隙サイズの相関について調査する。 【2023年度研究実施結果】 2023年度は、研究代表者が所属機関の出向業務に携わって研究に対するエフォートが非常に限られていたにも関わらず、これまでのデータを取りまとめて、3報の査読付き論文(全てオープンアクセス論文)を筆頭著者として執筆したことは評価に値すると考えている。限られたエフォートにおける主な実験内容は、作製した試料の陽電子消滅実験、及び、他の物性評価試験を行うにとどまったが、2024年度の論文化・成果発表に向けた多くのデータの蓄積が進んだ状況を作り出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者が、所属機関において、1年間の出向業務に携わり、研究に対するエフォートが非常に限られていたため。 アウトプットとして、筆頭著者として3報の査読付きオープンアクセス論文を執筆したものの、当初予定より客観的な観点では、研究進捗が遅れている。 一方で、他の研究者との連携を着実に進めている点は評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度報告にあるように、2023年度は出向業務により、研究業務に関するエフォートを十分に割くことができず、論文化を進めることができなかった。本研究課題において、最終年度は、これまでのデータの蓄積を基に成果の論文化を図る。
|