陽電子寿命測定法の利点は、基本的には試料を破壊することなく、材料中の開孔・閉孔に依存せず、非晶質材料における空隙サイズ、特に、非晶質材料における数Åから数nm程度の構造の空隙サイズを定量化できることである。しかし、この陽電子寿命測定法が無機ガラスに対して、どの程度有用で、どこに評価法としての限界があるのかについての知見は、世界的に見ても確立されていない。本研究は、酸化物ガラス、および、結晶化ガラスを対象として、陽電子寿命測定法の適応範囲を明らかにすると同時に、定量化した空隙と、材料における物性との相関を明らかにすることを目的とする。
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