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材料表面上におけるシリカ・シリケートスケール形成機構の解明とモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 23K23074
補助金の研究課題番号 22H01806 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分26040:構造材料および機能材料関連
研究機関東京海洋大学

研究代表者

盛田 元彰  東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30636626)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
キーワードスケーリング / シリカ・シリケート / 地熱 / 含水マグネシウムシリケート(M-S-H) / 粘土鉱物 / 含水マグネシウムシリケート(M-S-H) / 含水カルシウムシリケート(C-S-H) / 含水マグネイスムシリケート(M-S-H)
研究開始時の研究の概要

地熱発電の安定運転を阻害する要因の1つは配管や熱交換器等の表面上に付着するスケールであり,それにより発電量が3割以上低下するケースが顕在化している。特に問題となるのはシリカ・シリケートの材料表面上への付着であるがその機構は明らかでない。この要因を明らかにするために溶液中のシリケートと材料表面間の相互作用を評価する。材料の表面変化や特性,シリケートの表面特性,スケーリング性の3つの関係性を整理し、スケール形成を支配する機構を解明する。それらの知見に基づき、耐スケール材の設計指針を立案する。

研究実績の概要

2023年度も引き続き各種材料のスケーリング性をより正確に評価できるように実験装置を改造した。差圧の測定装置をひずみゲージ式へと変えることで測定精度が10倍以上向上した。開発装置を用いて測定したスケールの付着性と電子顕微鏡にて観察したスケール量が一致したことから、有効な測定方法であるといえる。現在の装置構成では、流体の流動条件に起因して材料とスケールの相互作用を正確に測定できていないことや、CO2ガスを導入した試験では長期間の試験で循環ラインでガスの滞留が生じ測定に影響が出ることが分かり、流体工学の解析も入れて装置をさらに改造しているところである。
スケーリング性の経時変化に注目する予定であったが、上記の理由よりスケーリング性の経時変化を捉えることが難しかったため、0分、30分、1時間、24時間で溶液をサンプリングし、溶液の濃度(分光光度計)や,粒子径やゼータ電位(粒度分布・ゼータ電位計)を解析した。また、材料表面上に付着した物質の結晶構造 (XRD) および分子構造 (FT-IR)解析を行った。粒子の大きさは時間が経過するにしたがって成長しているが、溶液中のシリカ濃度の変化から、粒子のほとんどは合成直後に形成され、粒子の成長はその後に生じていることが示唆された。したがって、行った試験条件では一次粒子同士が結合することで成長しているといえる。
予定していた実施内容に加えて、大型地熱発電所と新規に建設された蒸気型のバイナリー発電設備のスケールの組織解析を行い、その構造を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スケーリング性の経時変化を評価試験において一部問題が見つかったが、改善策を提案し、試行錯誤しており、解決までかなり近い。前年度導入した装置を用いたスケールの経時変化の評価方法は確立できた。また、当初の予定に加えて、新規の発電所のスケールの組織解析ができた。
以上のことからおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

現在の装置構成では、流体の流動条件に起因して材料とスケールの相互作用を正確に測定できていないことや、CO2ガスを導入した試験では長期間の試験で循環ラインでガスの滞留が生じ測定に影響が出ることが分かり、流体工学の解析も入れて装置をさらに改造しているところである。具体的には、テスト区間が乱流の条件となっており、流体の影響が大きくスケーリング性に寄与してしまっているため、層流の条件で評価できるように改造を進めている。すでに層流条件での試験手法までは確立できたため、ガスの滞留が測定に影響していることへの対策のみとなっている。現在、装置構成を変えることでガスの滞留が生じないように改造中である。
2024年度より導入予定であった材料表面上のゼータ電位を測定できる装置を2023年度の後期に導入できた。2024年度前半中に、材料設置用のセル構造の最適化を行い、データを取得予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 温泉蒸気を用いたバイナリー発電所で生じた硫黄スケール2024

    • 著者名/発表者名
      鵜飼瑛美、盛田元彰
    • 雑誌名

      日本地熱学会誌

      巻: 46 号: 1 ページ: 11-19

    • DOI

      10.11367/grsj.46.11

    • ISSN
      0388-6735, 1883-5775
    • 年月日
      2024-01-25
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 次世代地熱発電用材料開発の展望: 腐食とスケール2022

    • 著者名/発表者名
      盛田元彰
    • 雑誌名

      ふぇらむ

      巻: 27 ページ: 760-764

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 短時間で溶解するシリカ量 : 結晶性とpHの影響2023

    • 著者名/発表者名
      相場亜弥斗,盛田元彰
    • 学会等名
      日本地熱学会令和5年岐阜大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 滝上バイナリー発電所のスケール模擬法に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      池本翔太、Htoo Nay Wunn、盛田 元彰、和田 梓、岡野 ひろ乃、宇井 慎弥
    • 学会等名
      日本地熱学会令和5年岐阜大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] スケールの生成量に及ぼす材料の影響 : 評価精度の向上2023

    • 著者名/発表者名
      相澤 春太郎、盛田 元彰、元田 慎一
    • 学会等名
      日本地熱学会令和5年岐阜大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 鋼上へのマグネシウムシリケートの析出に及ぼす塩化物イオンの影響2022

    • 著者名/発表者名
      ブアン サトミ,盛田 元彰,元田 慎一
    • 学会等名
      日本地熱学会 令和4年東京大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 現地スケールの模擬手法の開発:データの信頼性向上と課題整理2022

    • 著者名/発表者名
      相澤 春太郎,盛田 元彰,元田 慎一
    • 学会等名
      日本地熱学会 令和4年東京大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 小浜温泉のマグネシウムシリケートスケールの構造解析―ポリアクリル酸ナトリウム添 加の影響―2022

    • 著者名/発表者名
      井原 颯太,盛田 元彰,上田 晃
    • 学会等名
      日本地熱学会 令和4年東京大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 機械材料研究室(盛田研究室)

    • URL

      https://www2.kaiyodai.ac.jp/~mmorit0/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書 2022 実績報告書
  • [備考] 人が導き繋いでくれた、地熱発電研究への思い

    • URL

      https://www.kaiyodai.ac.jp/Japanese/SDGs/interview09.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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