研究課題/領域番号 |
23K23076
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補助金の研究課題番号 |
22H01808 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
田村 友幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90415711)
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研究分担者 |
前田 浩孝 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20431538)
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30233729)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 生体ガラス / リン酸塩ガラス / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは最近,イオン溶出のきっかけとなるプロトン伝導に着目し,6配位Siを出現させてPO4四面体の網目形態を自在に調整できれば,材料中のプロトン伝導を制御できると提唱した.本研究ではこれを発展させて,計算-情報-実験が緊密に連携しながら6配位Si形成機構の (a)どこで=実空間観察, (b)どのように=反応決定記述子という学術的問いを理論的に解明し,(c)機能強化により実用化する.
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研究実績の概要 |
本課題で実施する「リン酸塩ガラスに発現する特異構造である6配位Siの生成の解明と生体医療用材料への展開」のために,本年度は,以下の3項目を遂行した. (1)6配位Siの実空間観察: STEM-EELSの空間分解能は既に原子オーダーに達しており,近年では元素の局所濃度分布が分析できるようになっている.本課題では,配位数(隣接酸素数)やQn(架橋酸素数)などの同一元素の異なる原子環境の分布の実空間図示法の確立を目指す.第一原理EELS計算から得られる大量のスペクトルデータを機械学習することで,ガウス過程回帰のもとで,単純な平均スペクトルではなく分散(揺らぎ)も考慮した参照スペクトルを作成する手法を昨年度までに確立していたが,今年度はSiの配位数のより高精度な回帰を実現できた.また,Siの配位数だけでなく,PのQnの回帰も可能であることも実証した. (2)6配位Si形成の反応を決定する構造記述子の構築: 4配位Siから6配位Siが形成される反応過程そのものが明らかになっていなかったので,昨年度はDFTに基づく分子動力学シミュレーションから6配位Si形成の反応パスを解明した.今年度は,一般的には不安定と考えられる6配位Siがリン酸塩ガラス中に形成されるメカニズムの解明を目指した.原子エネルギー解析から,Siの配位数増加に伴うエネルギー上昇よりもPの高Qn化に伴うエネルギー低下が上回るために,5-6配位Siが安定に存在できること,活性化エネルギーはかなり小さいこと,を明らかにした. (3)カチオン種依存性の解明と機能強化: Naイオンを含むガラスの計算と実験を進めてきたが,将来的には骨形成に有効な様々なカチオン種を多く含むガラスを作成したい.今年度は,Mgイオンを含む40SiO2-40MgO-20Na2Oガラスを作成し,Mgイオンとケイ酸イオンのイオン放出挙動を考察した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の肝となる「機械学習による原子環境分離フィルターの作成法の確立」および「6配位Si形成の反応パスの解明」は概ね達成されたと考えている.今後は,多くの計算を実行し実験と比較することで「6配位Siの実空間観察」および「特異構造形成を決定する構造記述子の構築」が達成できると期待される.
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今後の研究の推進方策 |
(1) 6配位Siの実空間観察: 第一原理EELS計算から得られる大量のスペクトルデータを機械学習することで,原子環境分離フィルターを作成する手法を,SiだけでなくPにも適用し,これらを実際の実験スペクトルに適用する. (2) 6配位Si形成の反応を決定する構造記述子の構築: 昨年度は,i)Siの配位数増加に伴うエネルギー上昇よりもPの高Qn化に伴うエネルギー低下が上回るために,5-6配位Siが安定に存在できること,ii) 6配位Si形成の反応パスのための活性化エネルギーはかなり小さいことを明らかにした.今年度は活性化エネルギーと周辺構造との相関を明らかにする. (3) カチオン種依存性の解明と機能強化: 骨形成に有効なCaやMgだけなく,他の金属元素(K, Ga)による機能強化に着手している.
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