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ナノポーラス金アクチュエータを使った細胞集団の機械的刺激感知機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23078
補助金の研究課題番号 22H01810 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分26040:構造材料および機能材料関連
研究機関京都大学

研究代表者

馬渕 守  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00358061)

研究分担者 袴田 昌高  京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (30462849)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
キーワード細胞 / 機械的刺激
研究開始時の研究の概要

ナノポーラス金アクチュエータを用いて二次元細胞集団の細胞シートに周期引張刺激を与え、細胞集団の応力状態・形態学的特徴、遺伝子・タンパク質発現の分析から、細胞集団の機械的刺激感知機序解明の方法論を確立する。また、アクチュエータを三次元人工細胞組織に適用し、三次元細胞集団における機械的刺激感知機序を解明する。さらに、共培養細胞シート、スフェロイド、オルガノイド等生体器官に近い複雑人工細胞集団に応用し、これらの細胞集団の配向や分化等の制御を試みる。

研究実績の概要

ナノポーラス (np) 金アクチュエータを用いた実験により、カドヘリンを介したjuxtacrineシグナル伝達が、集団細胞の細胞配向に重要な役割を果たしていることを示した。0.15%の小さな周期的ひずみの機械的刺激を細胞に加えると、Rho/ROCK-MAPK-YAPの細胞内シグナル伝達により、細胞シート内の細胞は特定の方向に配向した。特に注目すべきこととして、np金アクチュエータから7ミリメートル離れており、機械的刺激がアクチュエータから直接負荷されていないプラスチックディッシュ上の細胞にも、カドヘリンを介したjuxtacrineシグナルによって、細胞配向のためのシグナルが届いていることがわかった。遺伝子発現分析の結果、関連する遺伝子のクラスターは3つあったが、細胞内シグナルはインテグリンとカドヘリンのクロストーク・シグナルと、カドヘリンを介したシグナルの2つだけであった。
また、集団的な細胞配向は、プラスチックディッシュ上だけでなく、水平から傾斜をつけた斜面基板上、さらにその基板から連続的に続く平面基板上でも起こった。しかし、プラスチックディッシュ上での集団的細胞配向の細胞内シグナル伝達は、斜面上と平面上とで異なっていた。本研究は、弱い機械的刺激であっても、力の伝達そのものによるのではなく、juxtacrineシグナルによって長距離に伝達できることを示唆している。長距離juxtacrineシグナルは、様々な生命現象において重要な役割を果たしている可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定にあった牽引力顕微法 (TFM法) と蛍光共鳴エネルギー移動法 (FRET法) により、ヒト線維芽細胞シートが受ける応力の分布状態を定量的に調べる、という実施項目は先送りしたが、それをせずともカドヘリンを介したjuxtacrineシグナルの重要性を指摘できたことから、総合的に見て順調である。

今後の研究の推進方策

引き続き、機械的刺激を与えた細胞シートやオルガノイドを用い、種々の細胞集団を創製してその構造と機能を調査する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Unusual effects of a nanoporous gold substrate on cell adhesion and differentiation because of independent multi-branch signaling of focal adhesions2023

    • 著者名/発表者名
      Wu Peizheng、Yanagi Kazuya、Yokota Kazuki、Hakamada Masataka、Mabuchi Mamoru
    • 雑誌名

      Journal of Materials Science: Materials in Medicine

      巻: 34 号: 11 ページ: 54-54

    • DOI

      10.1007/s10856-023-06760-0

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Bioengineering of High Cell Density Tissues with Hierarchical Vascular Networks for Ex Vivo Whole Organs2023

    • 著者名/発表者名
      Wu Peizheng、Asada Hiroki、Hakamada Masataka、Mabuchi Mamoru
    • 雑誌名

      Advanced Materials

      巻: 35 号: 9 ページ: 2209149-2209149

    • DOI

      10.1002/adma.202209149

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] スフェロイドを用いた階層的血管網を有する三次元細胞組織2024

    • 著者名/発表者名
      横田一樹、呉裴征、袴田昌高、馬渕守
    • 学会等名
      日本金属学会2024年春期(第174回)講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 振盪培養法が三次元高密度細胞組織の作製に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      呉裴征、袴田昌高、馬渕守
    • 学会等名
      日本金属学会2024年春期(第174回)講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 細胞シートを用いた階層的血管網を含むミリメートルオーダーの高密度細胞組織の作製2023

    • 著者名/発表者名
      呉裴征、袴田昌高、馬渕守
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ナノポーラス金アクチュエータを使った細胞配向とそのメカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      横田一樹、呉裴征、袴田昌高、馬渕守
    • 学会等名
      日本金属学会2023年秋期(第173回)講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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