研究課題/領域番号 |
23K23088
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補助金の研究課題番号 |
22H01820 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
松永 哲也 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (30595905)
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研究分担者 |
片山 郁文 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80432532)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | チタン / 強度 / 固溶強化 / 電子 / 高次高調波 / 超高速パルスレーザー分光 / 力学的特性 |
研究開始時の研究の概要 |
航空機や生体インプラント材などに用いられるチタン合金は、チタン以外の元素を添加する固溶強化により強度を高めている。固溶強化とは、例えばチタンと添加する元素との原子サイズ差などに起因して転位運動が妨げられることに由来する。一方で、添加する元素やその量に応じてチタンの電子状態が変化すると考えられることから、力学的特性と電子状態の間には相関関係が存在する可能性が伺え、本研究では、この相関関係の詳細を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、金属材料の力学的特性と電子状態との間の相関関係を明らかにし、電子状態に立脚した新しい金属材料強度学の構築を目標にしている。本年度は、測定条件の明確化を実施するため、チタンとアルミニウム2元系モデル合金を使用して、レーザー強度依存性を取得し、また、そのアルミニウム添加量依存性も明らかにすることとした。そこで、前年度にも用いた試料とともに、新たにアルミニウムを10 at%添加したモデル合金を作製して、これらを用いて電子状態計測を実施した。前年度と同じく、本試験ではチタンの柱面方向からレーザー照射は実施した。初めに、測定条件の明確化においては、電子状態計測を実施するには不向きな測定条件の存在を確認し始めており、今後、より正確な電子状態計測を実施する上での一つの指針を得ることができたと考えている。また、電子状態のレーザー強度依存性、および、アルミニウム添加量依存性を調査した結果、すべての試料の電子状態の計測が実施でき、さらに、アルミニウム添加量を10 at%まで増加させることで、前年度まで得られていた電子状態の形状変化とは異なる傾向を示すことを確認した。以上から、電子状態を用いることで、チタン系材料において1つのパラメータを用いて特徴づけが実施できる可能性を示すことができたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金属材料の力学的特性と電子状態との間の相関関係が存在することを示すことを目的としたチタン、チタンとアルミニウム2元系モデル合金を対象にした電子状態計測を実施している。前年度から新たに試料を追加し、アルミニウムの添加量がチタンの電子状態に与える影響をより広範囲に計測することができた。さらには、電子状態の計測条件においても、ノウハウが蓄積されてきており、本研究はおおむね順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに蓄積してきたチタンとアルミニウムの2元系モデル合金の電子状態計測結果を実施するとともに、力学的特性と電子状態との間の相関関係を定式化していく。さらに、引き続きアルミニウム以外の固溶元素やチタン以外の金属においても、上記の相関関係が成立するか調査する。チタンのおけるスズの効果に注目するほか、固溶軟化を示すアルミニウムを微量添加した合金を加えることで、力学的特性と電子状態との相関関係をより精緻に明らかにする。
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