研究課題/領域番号 |
23K23089
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補助金の研究課題番号 |
22H01821 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
齋藤 寛之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター, グループリーダー (20373243)
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研究分担者 |
田口 富嗣 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員 (50354832)
山本 春也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員 (70354941)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | 水素吸蔵 / スパッタ / アルミニウム合金 / マグネトロンスパッタ / 放射光 |
研究開始時の研究の概要 |
スパッタ法で作製したアルミニウムー鉄(Al-Fe)合金薄膜が、成膜後に大気中に取り出すだけで約1重量%の水素を吸蔵することを発見した。本研究ではAl-FeをはじめとするAl-TM薄膜の水素吸蔵メカニズムの解明をめざす。具体的には、大気から水素を取り込むメカニズム、および、薄膜中の水素の安定化機構、アモルファス構造と水素吸蔵能の関係を調べる。得られる成果は新規創エネルギーデバイスの実現、水素貯蔵の低コスト化につながるものと期待する。
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研究実績の概要 |
申請者らはマグネトロンスパッタ法で作製したアルミニウム-鉄(Al-Fe)合金薄膜が、成膜後に大気中に取り出すだけで約1重量%の水素を吸蔵すること、さらには、吸蔵された水素が常圧下での加熱により水素ガスとして取り出せることを発見した。Al-Fe合金は従来の水素科学の知見からは水素吸蔵しない材料に分類される。本発見は水素吸蔵しないと考えられていた合金の薄膜が、大気から水素を取り込み吸蔵し放出することを示したものである。Al-遷移金属(TM)薄膜の水素吸蔵は、薄膜が特異な微細組織を有するアモルファル構造をとる場合にのみ実現する。本課題ではAl-FeをはじめとするAl-TM薄膜の水素吸蔵メカニズムの解明をめざす。具体的には、①大気から水素を取り込むメカニズム②薄膜中の水素の安定化機構③アモルファス構造と水素吸蔵能の関係を調べる。水素科学の定石を覆す成果となり、新規創エネルギーデバイスの実現、水素貯蔵の低コスト化につながると期待する。 令和5年度は本科研費により令和4年度に導入した超高真空チャンバーで成膜したAl-Fe系試料について、成膜条件と水素吸蔵量の関係を調べた。成膜条件を最適化し、既存の装置の半分程度の水素吸蔵を本装置によって実現した。加えて作製した薄膜試料についてSEM、および、TEM観察やXRD測定、XAFS測定を実施し、微細構造、組成分布、アモルファス構造、金属元素の価数等の評価を進めている。水素吸蔵量と上記の評価結果の関係を解析し、既設装置と比べた際の水素吸蔵量の低下の原因を調べている。得られる結果から、本研究課題の目的である常圧水素吸蔵メカニズムの解明につなげることを試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題で導入した超高真空チャンバーを用いて、既存装置で作製したアルミニウム合金薄膜とほぼ同じ微細構造を有する薄膜の成膜に成功している一方で、水素吸蔵量が少ないという違いが確認されていたが、成膜条件を最適化することで既存装置で成膜した試料に対して約半分の水素吸蔵が達成された。SEM、および、TEM観察やXRD測定、XAFS測定により、微細構造、組成分布、アモルファス構造、金属元素の価数の評価などはおおむね計画通りに進んでいる。得られた分析結果と水素吸蔵量の関係から水素吸蔵メカニズム解明につながる知見が得られるつつあり、本研究課題は概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、(1)大気からの水素吸蔵メカニズムの解明、(2)水素と結合する金属の化学状態の調査、(3)アモルファス構造と水素吸蔵能の関係を調べる。研究推進方法も計画通りとし(1)については各種ガスとの反応実験、(2)についてはTEM-EELSやXAFS測定に加えてFE-SEMに取り付けられた軟X線分光器によるアルミニウムK線の発光分光測定、(3)についてはTEMによる微細組織観察と実験室系のXRD測定装置によるアモルファス構造の回折測定を実施する。本年度は最終年度となるため、年度の後半に成果の取り纏めを実施する。
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