研究課題/領域番号 |
23K23105
|
補助金の研究課題番号 |
22H01837 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
|
研究機関 | 島根大学 (2024) 東北大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
今宿 晋 島根大学, 学術研究院機能強化推進学系, 教授 (40606620)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
|
キーワード | ルミネッセンス / イメージング / スラグ / 介在物 / 耐熱鋼 / カソードルミネッセンス / 定量分析 / 耐火物 / 遊離CaO |
研究開始時の研究の概要 |
CLイメージングによる定量分析を困難にする要因を解明し、定量精度を向上させることで、CLイメージングによる定量分析法を確立し、鉄鋼に 関連する材料の定量分析に適用できることを示す。本研究では、迅速な定量分析法が確立されていない、鋼中の介在物、製鋼スラグ中の遊離Ca O、鉄鋼製造プロセスで用いられる耐火物および耐熱鋼被膜を測定対象とする。さらに、オンライン・オンサイト分析につながる迅速な定量分 析を達成するために、従来、真空中で行っているCL測定を大気中で行う方法を確立する。
|
研究実績の概要 |
本年度は、鉄鋼中の介在物、製鋼スラグ中の遊離CaO、MgOをカソードルミネッセンス(CL)イメージングによって定量分析する方法の確立を目指した。鉄鋼中の介在物は伸線・撚線工程での破断、疲労破壊、水素誘起割れ、表面の疵、連続鋳造におけるノズル閉塞などの問題を引き起こすので、介在物分析は鉄鋼生産において重要である。また、製鋼スラグは、生産量の約3分の1が道路用路盤材として再利用されている。製鋼スラグ中にはフリーCaOおよびフリーMgOが含まれており、フリーCaOおよびフリーMgOは水和反応および、その後の二酸化炭素との反応により体積が2倍程度膨張するので、道路を膨張・破壊させる原因となる。そこで、製鋼スラグ中に含まれるフリーCaOおよびフリーMgOを検 出することは重要である。 Al脱酸を行ったステンレス鋼に含まれる介在物である、MgAl2O4, Al2O3, MgO の凝集体について、350-1000 nmおよび395-575 nmの波長範囲の2種類のCL像を撮影することで、それぞれの介在物を発光色の違いによって識別でき、これぞれの発光している部分を数えることで介在物の個数を求めることができた。 製鋼スラグ中には、遊離MgOの他にMgAl2O4、3CaO・MgO2・SiO2などの鉱物相が含まれており、350-1000 nmのおよび420-680 nmの波長範囲の2種類のCL像を撮影することで、遊離MgOを識別できることがわかった。遊離MgOは、350-1000 nmのCL像では、橙色に発光し、420-680 nmのCL像では、発光しなかった。さらに、遊離MgOの発光領域の面積分率から遊離MgOの体積分率が推定できることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和5年度に予定していた製鋼用の耐火物上の反応生成物をCLイメージングによって識別する方法に関する研究を行うことができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
より実用的な試料を用いて、CLイメージングによって鋼中介在物、スラグ中の遊離CaO, MgOおよび耐火物上の反応生成物の定量分析法の確立を行う。
|