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偏析蛍光イメージングによる急冷凝固現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23106
補助金の研究課題番号 22H01838 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分26060:金属生産および資源生産関連
研究機関京都大学 (2023-2024)
東北大学 (2022)

研究代表者

川西 咲子  京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (80726985)

研究分担者 柴田 浩幸  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50250824)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
キーワード凝固 / イメージング / 偏析 / 介在物
研究開始時の研究の概要

鉄鋼材料の高性能化に伴い、多様な凝固条件でのミクロ偏析の制御が要求される。しかし、溶鋼の凝固過程におよぼす冷却速度の影響は十分に理解されておらず、偏析に起因した介在物の挙動も不明である。そこで本研究では、透明有機物質を用いた凝固過程の直接観察を行い、偏析に端を発する種々の変化に対して、冷却速度がどれほどのインパクトをもつのかを解明することを目的とする。蛍光試薬を用いてミクロ偏析を可視化する独自のFSイメージング法(Fluorescence-assisted Shape & Segregation Imaging)を用いて、偏析機構のモデル化と、偏析に伴い晶出する介在物の発生機構の解明を目指す。

研究実績の概要

本研究では、透明有機物質を用いた凝固過程の直接観察を蛍光イメージングにより実施することで、偏析に端を発する種々の変化に対して、冷却速度がどれほどのインパクトをもつのかを解明することを目的に掲げている。2023年度の研究実績の概要は以下のとおりである。
①凝固イメージングシステムの構築
ミクロ偏析の定量評価の高精度化を図るため、共焦点機構を蛍光顕微鏡に導入した。観察条件を最適化した結果、凝固過程においてデンドライト形状で発達する固相の三次元形状の取得が可能になった。これにより、ミクロ偏析の検討において重要な固相率の直接計測に成功した。また、焦点深度が20μmまで小さくなったことで、凝固シェル周囲のミクロ偏析の高精度な評価が可能になった。昨年度に実施した温度制御系および試料駆動系の改良と併せて、本研究の目的の達成に必要な凝固イメージングシステムの構築が完了し、それを用いた観察手法を確立した。
②冷却速度が凝固形態およびミクロ偏析に及ぼす影響
共焦点系を用いて種々の凝固速度における凝固過程の直接観察を実施した。その結果、凝固速度が10~200μm/sの範囲では一次デンドライトアーム間隔は凝固速度の-1/4乗に比例して減少し、アーム間隔と凝固条件の関係式に従うことがわかった。一方、凝固速度300~500 μm/sでは関係式には従わず、凝固速度の増加に伴って一次アーム間隔が増加に転じる臨界の凝固速度が存在することがわかった。次に、ミクロ偏析の評価を行った結果、実測した溶質濃度は、溶質の平衡分配と各相における溶質の拡散を考慮した解析解とよく一致した。これより、本研究で実施した凝固条件では、平衡分配を伴った凝固が進行したと推測された。
得られた結果を、鉄鋼協会秋季講演大会および日独北欧合同シンポジウムで発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

共焦点系を用いた凝固過程の蛍光イメージングシステムが完成し、それを用いることで、固相率の精確な評価やミクロ偏析の高精度評価が可能になった。同システムを用いた凝固過程の評価も計画以上に進んでいるため、当初の計画以上に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

共焦点蛍光顕微鏡を用いた凝固イメージングを継続し、冷却速度が凝固過程のミクロ偏析に及ぼす影響を明らかにする。加えて、ミクロ偏析に由来する介在物の晶出過程の観察により、過飽和度と介在物生成頻度との関係を明らかにする。これらを総括するとともに、得られた成果を査読付き論文で公表する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] 蛍光顕微鏡を用いたサクシノニトリル系溶液の凝固過程におけるミクロ偏析イメージング2023

    • 著者名/発表者名
      川西咲子, 塚原優希, 寺島慎吾, 柴田浩幸
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会, 第186回秋季講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 共焦点レーザー顕微鏡を用いたサクシノニトリル系溶液におけるミクロ偏析の3次元挙動2023

    • 著者名/発表者名
      塚原優希, 川西咲子, 柴田浩幸
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会, 第186回秋季講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Application of time-resolved fluorescence imaging for visualization of metallurgical phenomena2023

    • 著者名/発表者名
      Sakiko Kawanishi, Shingo Terashima, Yuki Tsukahara, Mayu Fujita, Hinako Nakayama, Sohei Sukenaga, Hiroyuki Shibata
    • 学会等名
      第3回日独北欧合同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 高温反応場の制御に向けたその場観察による挑戦2023

    • 著者名/発表者名
      川西咲子
    • 学会等名
      第166回 製鋼部会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] サクシノニトリル系合金を用いた凝固過程のミクロ偏析の定量評価2023

    • 著者名/発表者名
      塚原優希, 川西咲子, 柴田浩幸
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会 第185回春季講演大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] サクシノニトリル系溶液を用いた凝固過程のミクロ偏析および介在物生成挙動の評価2023

    • 著者名/発表者名
      川西咲子, 寺島慎吾, 塚原優希, 柴田浩幸
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会 第185回春季講演大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] その場観察で追究する高温反応プロセス2022

    • 著者名/発表者名
      川西咲子
    • 学会等名
      第1回駒場材料学セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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