研究課題/領域番号 |
23K23123
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補助金の研究課題番号 |
22H01855 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
官 国清 弘前大学, 地域戦略研究所, 教授 (90573618)
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研究分担者 |
阿布 里提 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70565374)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 二酸化炭素還元 / バイオマス転換 / 電極触媒 / 電解セル / 触媒評価 / バイオマス変換 / CO2還元触媒 / 金属層状複水酸化物触媒 / エチレン / ギ酸 / 電解還元 / 電解酸化 / バイオマス / フランジカルボン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
再生可能エネルギーを用いて陰極でCO2を有価物へ電解還元と同時に、陽極の酸化反応を上手く組み合わせるようにすれば、電解セルの両電極で同時に高付加価値化学品を合成できる。本研究では、CO2をC2+化合物へ電解還元触媒と、バイオマス由来ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)をバイオプラスチック原料のフランジカルボン酸(FDCA)へ電解酸化触媒を開発する上、固体電解質を備える電解セルを試作し、両電極の生産効率を評価する。
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研究実績の概要 |
令和5年度では、新規CuベースCO2還元触媒を担持したガス拡散陰極及び金属層状複水酸化物(LDH)触媒担持した多孔質陽極の調製を続けた。特に、ホウ素(B)ドープしたリン酸銅(B-Cu3(PO4)触媒を調製し、エチレン(C2H4)へのファラデー効率(FE)は40.1%に達成した。また、水熱合成法を用い、カーボンペーパーに成長した酸化銅(CuO/CP)電極を開発し、C2H4へのFEは45.6%に達成したと同時に、エタン(C2H6)とギ酸(HCOOH)へのFEはそれぞれ17.5%と10.4%に達成した。これらのCuベースCO2還元触媒は長時間の安定性(20時間以上)も示した。一方、FeCo-及びCuCoMg-ベースの層状複水酸化物陽極触媒を調製し、バイオマス由来ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)をバイオプラスチック原料のフランジカルボン酸(FDCA)へ電気化学的に変換した結果、最大100%のHMF転換率、97.7%のFDCA収率及び99.9%のFDCAへの変換ファラデー効率を達成した。また、前年度スクリーニングされた市販の多孔質プロトン伝導性固体電解質膜及びバイポーライオン交換膜を用いて、電解セルを試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画の通り、新規CuベースCO2還元触媒を担持したガス拡散陰極及び金属層状複水酸化物(LDH)触媒担持した多孔質陽極の調製を続けた。特に、二種類CuベースCO2還元触媒を開発し、エチレン(C2H4)へのファラデー効率(FE)は40%を超え、長時間安定性も示した。また、前年度より性能高いバイオマス由来ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)をバイオプラスチック原料のフランジカルボン酸(FDCA)への酸化電極触媒も開発した。さらに、前年度スクリーニングされた市販の多孔質プロトン伝導性固体電解質膜及びバイポーライオン交換膜を用いて、電解セルを試作した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)これまで得られた電極触媒を更に改良し、最適なCO2還元触媒及びHMF酸化触媒を得る。 (2)前年度試作した電解セルを用いて、電解セルの操作条件(加湿したCO2及びHMF水溶液流量、印加電圧、多孔質プロトン伝導性固体電解質及びバイポーライオン交換膜厚さなど)を最適化する。 (3)電極反応モデルと全電解反応装置モデルの構築:以上の実験結果に基づいて電極反応モデルと全電解反応装置モデルを構築する。ここで、CO2還元とHMF酸化に対して、化学工学の視点から電極構造、電極三相界面触媒反応、全セル中各所の物質とイオン拡散といった異なる速度過程が複合された場として捉えるもので、電気化学反応プロセスに対する律速過程や混相の流動・輸送現象によって両電極の生産効率とエネルギー効率への影響を明らかにする。
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