研究課題/領域番号 |
23K23134
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補助金の研究課題番号 |
22H01866 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00215758)
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研究分担者 |
沢辺 恭一 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80235473)
織田 晃 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80762377)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 触媒設計 / 酸化触媒 / ナノ材料 / 触媒ナノアセンブリ / シングルアトム触媒 / 担体効果 / 小分子活性化 / 選択酸化 / 水素化 / CO酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では金属酸化物担体やゼオライト細孔内に金属を原子状で分散させたシングルアトム触媒に着目する.シングルアトム触媒は,100%の金属利用効率と, 全ての金属原子が担体酸化物と接して均一の活性サイトを形成している点から, 担持金属触媒の極めてシンプルなモデルとなる. 構造的な魅力と共に,特異的な触媒作用を発揮する「シングルアトム」触媒を対象として, 「シンプルな触媒系を用いて金属-担体相互作用を科学的な言葉で説明し, 意図した設計が出来ること」を高活性触媒で実証する.
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研究実績の概要 |
本申請研究では金属酸化物担体やゼオライト細孔内に金属を原子状で分散させたシングルアトム触媒に着目する.シングルアトム触媒は,100%の金属利用効率と, 全ての金属原子が担体酸化物と接して均一の活性サイトを形成している点から, 担持金属触媒の極めてシンプルなモデルとなる. 構造的な魅力と共に,特異的な触媒作用を発揮する「シングルアトム」触媒を対象として, 「シンプルな触媒系を用いて金属-担体相互作用を科学的な言葉で説明し, 意図した設計が出来ること」を高活性触媒での実証をターゲットとしている. 2023年度はシングルアトム触媒を水素化触媒にも展開した。水素キャリアとしてケミカルハイドライドが注目され中でもメチルシクロヘキサンートルエン系が有望視されている。水素の吸蔵-利用のための水素化-脱水素触媒にはもっぱら担持Pt触媒が用いられるが、Ptは希少で高価であるため有効利用が求められている。卑金属ナノ粒子を土台としてPtシングルアトム合金を形成することによりPtの有効利用が期待できる。本年度はCo/TiO2をベースとするPtシングルアトム触媒がPt当たりの水素化速度を従来のPt触媒の23倍まで高められることを見いだした. また, 触媒ナノアセンブリの新たな展開としてTiO2上にRuOxが自発的に単分子層を形成することを見いだした[業績2]. これはルチル型のTiO2とRuO2の結晶学的なフィティングが優れていることによる. 第2成分としてMn, Fe, Co, Ni, Cuを添加することにより単分子層のアスペクト比は変化し, Niの添加が最適であること, またCO酸化活性が最大となること見いだした. 単分子層触媒は引き続き検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
シングルアトム触媒による酸化反応の研究が当初の予定通りに進む中で、この触媒系が水素化・脱水素など他の触媒系にも有効であることを見いだしている。またシングルアトム触媒と同様に活性金属の原子効率100%で特異的な構造を持つ単分子層触媒の有効性を見いだしつつあり、新たな展開を含めて検討している。
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今後の研究の推進方策 |
触媒ナノアセンブリには大きく分けて、(A)触媒を設計する課題と、(B)設計した触媒の有効性が発揮できる触媒系探索の課題、がある。(A)に関して、①酸化物担体への低濃度担持による形成, ②ガルバニック置換によるシングルアトムナノ合金粒子の形成により、シングルアトム触媒のアッセンブリが可能であることを明らかにしてきた。また③結晶学的整合性を利用したエピタキシャル単分子層の設計も見いだしつつあり、(A)触媒設計課題に関して当初の計画を達成することができた。最終年度である2024年度は(B)の触媒系探索課題に注力する。具体的には以下のように進める。 これまでの(1)シングルアトム触媒による高性能酸化触媒の開発に加えて, 昨年度実績をベースとして, (2)シングルアトム触媒の水素化-脱水素反応への展開, (3)単分子層触媒の展開を含めて検討する. (1)の酸化反応の課題に関してはCO酸化反応といった単純な酸化反応のみならず, 選択性の議論が可能なバイオマス由来物質の選択酸化などに応用する. また(2)シングルアトム触媒の水素化-脱水素反応への展開においては、担体効果に着目すると共に、脱水素反応にもシングルアトム触媒を展開する。(3)の単分子層触媒は反応系の幅を広げて他の環境触媒系の触媒反応において単分子層触媒のメリットが発揮できる触媒系を探索する。
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