研究課題/領域番号 |
23K23145
|
補助金の研究課題番号 |
22H01877 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
新垣 篤史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10367154)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
|
キーワード | 甲虫 / タンパク質 / キチン / 自己組織化 / 軽量高強度材料 / バイオプロセス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、甲虫表皮の構造と機械特性を決定するキチン繊維配向制御の分子機構の解明と、その機構を利用した軽量構造材料の作製プロセスを開発する。キチン繊維の配向が異なる複数甲虫種の表皮の比較解析により、キチン繊維配向に関わるタンパク質と機能を明らかにする。さらに同定されたタンパク質を配向性制御に利用し、頑丈かつしなやかな機械特性を有する軽量構造材料の作製プロセスを開発する。
|
研究実績の概要 |
甲虫は、水の浸入や外敵の攻撃からやわらかい組織を保護するため、有機分子が積層した軽量さと頑強性を併せ持った外骨格(表皮)を形成する。甲虫の表皮は、形や構造の多様性、軽量さと頑丈さを併せ持つ材料として、先端材料開発分野で注目を集めている。本研究では、甲虫におけるキチン繊維配向の制御機構の解明と制御機構を利用した軽量構造材料の作製プロセスの開発を目的として、研究代表者らが同定した表皮タンパク質の機能解析とこれを用いた材料開発を進めている。これまでの研究において、ニホンカブトムシの表皮から特徴的な繰返しのアミノ酸配列を有する2グループの表皮タンパク質の存在を明らかにした。本年度は、2グループの代表的なタンパク質を調製し、そのキチン結合能の評価を行った。その結果、2グループの表皮タンパク質は、細菌由来の既知タンパク質と比較して弱いキチン結合能を確認し、2グループ間においてもキチン結合能に差異が見られた。また、溶液中において表皮タンパク質とキチン複合体の形成を確認した。次に、多様な甲虫種のゲノム情報に基づいて、同特徴を有する表皮タンパク質の探索を行った。この検討にあたっては、繰返しのアミノ酸配列等の特徴を有するタンパク質を探索するツールを開発した。その結果、同アミノ酸配列上の特徴は、他の甲虫種の表皮タンパク質にも見られる特徴であり、甲虫表皮タンパク質探索の新たな指標となることが示唆された。タンパク質の立体構造予測から 繰返しのアミノ酸配列領域は無秩序構造を有することが予想された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、甲虫表皮タンパク質のキチン結合能等の機能を明らかにした。また新たな機能部位の存在も見出しており、キチン/タンパク質複合材料の作製を進めている。次年度の計画に向けての準備も整っており、おおむね計画通り順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
タンパク質のさらなる機能解析を進めると共に、機能性材料開発に向けたコンセプト証明を行う。 -硬度の異なる表皮間での硬化機構の比較解析 -高硬度キチンシート材料の作製
|