研究課題/領域番号 |
23K23219
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補助金の研究課題番号 |
22H01951 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米谷 玲皇 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (90466780)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | NEMS / ナノメカニカル振動子 / センシング / 光圧 / 情報科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、光圧を利用した新たな物質操作・輸送技術・分析技術の創出に貢献することを狙い、NEMS(Nanoelectromechanical systems)の主要コンポーネントであるナノメカニカル振動子を利用し、その構造の工夫や、情報科学的手法の活用を行うことにより、高感度な光圧のセンシング技術の構築を目的とする。また、このナノメカニカル振動子を利用した光圧センシング技術を活用し、光とナノ構造の相互作用への理解を深化させることを目指す。
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研究実績の概要 |
光圧を利用した新たな物質操作・輸送技術,分析技術等の創出に貢献することを目的として、光圧の高感度な計測技術を生み出すことと、これを活用し、光とナノ構造の相互作用に関する理解を深めることが、本研究の狙いである。光圧の高感度な計測を達成する上で本研究ではナノメカニカル振動子を利用することを想定しており、当年度においては、ナノメカニカル振動子を利用したセンシング原理、およびデバイス構造の検討を行った。具体的には、保有する知見である静電結合型ナノメカニカル振動子を利用した光圧のセンシング手法をベースに検討をすすめた。静電結合型ナノメカニカル振動子を利用した光圧のセンシングでは、デバイスへの光照射に伴う熱膨張などの熱の影響を低減するため、光照射を行う梁の光圧によるたわみを、直角配置し静電的に結合させたナノメカニカル振動子を利用してセンシングする原理となる。本研究では、このセンシング原理で利用している静電結合させたナノメカニカル振動子を、並列連結型のデバイス構造とすることがセンシング高感度化の有力な手段になりえる示唆を得た。機械的に複数の梁を連結させた連結型の振動子は、対称モードと反対称モードからなる振動特性を示す。静電的に結合するナノメカニカル振動子の構造を、2つの片持ち梁を機械的に並列に連結した並列連結型の構造とし、2つの片持ち梁の片方を光圧を作用させる梁と静電的に連結させることで、光圧の作用に対し反対称モードが振幅敏感な挙動を示すものと期待している。光圧の高感度なセンシングにおいて鍵となるセンシング原理となりえる手法である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先述したように、本研究では、ナノメカニカル振動子を利用した超高感度な光圧のセンシング技術創出を行い、これを活用した光とナノ構造体の相互作用に関する理解を深めることを狙っている。当年度は、特に、超高感度な光圧のセンシング達成を狙い、そのセンシング原理に関する基礎的研究を推進してきた。現在のところ、上記したように、静電結合型ナノメカニカル振動子の一部を、2つの片持ち梁を機械的に並列に連結した並列連結型の構造とすることで、高感度な光圧センシングを達成できる期待があり、このことから研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、ナノメカニカル振動子を利用した光圧の高感度なセンシングに向け、上記した静電結合型ナノメカニカル振動子の一部を2つの片持ち梁を機械的に並列に連結した並列連結型の構造のデバイスの作製を重点的に進め、そのセンシング感度の評価を行う。具体的には、シリコンやカーボン系材料や主とするデバイスの試作を想定する。また、センシング感度の評価にあたっては、光圧に対し振幅敏感な挙動を示すことが期待されることから、光圧に対する振動特性の振幅変化を重点的に評価することとなると予想される。また。畳み込みニューラルネットワークを利用した深層学習に基づく振動検出法は高感度な光圧計測が期待される手法であり、この情報科学的アプローチの適用した場合のセンシング感度についても評価し、光圧のセンシングに関する基礎的な研究を進める。
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