研究課題/領域番号 |
23K23226
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補助金の研究課題番号 |
22H01958 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20314536)
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研究分担者 |
上沼 睦典 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20549092)
Bermundo J.P.S 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60782521)
來福 至 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60936871)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 半導体 / 機能性薄膜 / 金属酸化物 / トランジスタ / 集積回路 / 金属酸化物薄膜トランジスタ / 原子層堆積法 / 三次元デバイス / スパッタ法 / 高集積化 / 3次元素子 / 信頼性 / メモリ / 三次元構造 / 高集積回路 / 酸化物半導体 / 薄膜トランジスタ / 三次元高集積回路 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が永年培ってきた金属酸化物薄膜のプロセス・デバイス技術をベースに、原子層堆積(ALD)技術による新たに薄膜形成技術を確立し、これをチャネル材料とした縦型トランジスタと不揮発性メモリを試作、動作実証することで、その可能性を明らかにする。特に、ALD法による金属酸化物薄膜とゲート絶縁膜としての誘電体薄膜の界面の電子物性を詳しく調査し界面モデルを立案することで、本プロセスの優位性を学術的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
三次元集積デバイス応用を見据えたALD法による多結晶IGOチャネルの設計指針を確立する為にInOx/GaOxナノラミネート構造に着目し、その結晶化挙動の理解を目指した。ALD成膜におけるsuper-cycle法では成膜原理に基づき膜厚方向にInとGaの濃度分布が生じる為、本研究では比較用として膜厚方向に濃度分布が生じないスパッタ法でもIGO膜を成膜し、成膜手法間におけるGa濃度に対する結晶化温度と格子定数の依存性を議論した。 (1)ALD法により成膜したIGO膜のIn:Ga組成比や熱処理温度依存性ついて議論した。本研究ではXPSとRBS法を用いてALD-IGO膜の組成比を算出した結果、GaOxのsub-cycle比の上昇に伴い膜中のGa濃度が増加することを確認した。また、GIXRDの測定結果より、非晶質InOx/GaOxナノラミネート構造が熱処理によって多結晶IGOに成長することを確認した。本研究ではALD-IGO膜の結晶化挙動を理解する為に、膜中にInとGaが均一に分散するスパッタ膜を比較対象として選択し、結晶化温度やGa濃度に対する格子定数依存性を評価した。 (2)InOx:GaOx =15:1の条件で成膜したIGO膜を用いてFETを作製し、BEOL工程と親和性を有するプロセス温度で50 cm2/Vs以上の高い移動度が得られることを確認した。一方でS.S.値は500 mV/dec. 程度であり、更なる低減が望まれる。また、Idの立ち上がりが-3V付近であることからキャリア密度の低減が必要である。しかし、更なるGa添加による酸素欠損の抑制を目的としてGaOxのsub-cycle比を増加させるとIGO膜の結晶化温度は500 ℃以上になりBEOL工程とのプロセス温度親和性が失われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
構成グループの連携がよく、情報の共有がうまくいったおかげで、有望な結果が得られ、学会や論文投稿が順調である。また、分析手法など多くの協力が得られ、これも結果の獲得に功を奏している。
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今後の研究の推進方策 |
ALD法による三元系多結晶OSの成膜において、用いる前駆体や成膜条件が添加元素の置換効率や膜の結晶化温度へ及ぼす影響を明らかにする。さらに、本研究で得られた知見を活用し三元系多結晶OS材料の添加元素がキャリア密度や移動度に与える影響を解明する。また、FETのチャネル幅 (W) 、チャネル長 (L) がnm台の素子や三次元構造を有するFETに三元系多結晶OS材料を適用し、前駆体、成膜条件と膜の結晶性や電気的特性との関係性を明らかにする。本研究で得られる知見によってナノラミネート構造における結晶化挙動の理解が促進され、三元系多結晶OS材料を用いた集積デバイスの発展へ寄与することが期待される。
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