研究課題/領域番号 |
23K23253
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補助金の研究課題番号 |
22H01985 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
白川 晃 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (00313429)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | ファイバーレーザー / コヒーレントビーム結合 / 位相同期 / モード同期 / 超短パルスレーザー |
研究開始時の研究の概要 |
超短パルスファイバーレーザーのピークパワー・パルスエネルギー向上のための新手法として,可飽和吸収体を用いたマルチコアファイバーレーザーの位相同期モード同期に取り組む。コア数と同数存在するスーパーモードの中で,各コアの電界が同位相で伝搬するin-phaseモードは遠視野で単峰の強度分布を形成し最も高い光強度を持つことから,可飽和吸収体を利用して選択的に励振することで,位相同期による輝度重畳を実現し、同時に可飽和吸収体モード同期により超短パルスレーザー動作を実証する。時空間モード同期についてもその原理を探求し,横モード自在制御,ビーム整形の応用を探る。
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研究実績の概要 |
1.前年度開発した、可飽和吸収体による位相同期モード同期Yb添加マルチコアフォトニック結晶ファイバーレーザーについて、引き続き共振器内分散制御によるストレッチドパルス動作を目指した。しかし従事する学生の交替に伴い、外部発振器の再構築にとどまり、ストレッチドパルス動作に至らなかった。飽和フルーエンスのより高い可飽和吸収体に関しては反共鳴型半導体可飽和吸収体鏡を用いて達成できる見通しを得た。 2.フェムト秒パルスの高出力化のためにマルチコアファイバー増幅の取り組みも開始した。まず発振器として非線形偏波回転による全正常分散モード同期Ybファイバーレーザーを作製した。パルス幅7.4ps、平均出力84mW、パルスエネルギー3.75nJである。その出力を上と同じYb添加7コアファイバーに自由空間を介した簡易なレンズ結合により、ほぼin-phaseモードに結合できることを理論的、実験的に示した。 3.マルチコアファイバーやマルチモードファイバーの横モード間で群速度が異なることを用いた時間領域モード選択の実証研究に引き続き取り組んだ。Yb添加マルチモードファイバーを用いた能動モード同期レーザーを構築し、時間領域モード選択実験を行った。しかし従事する学生の交替に伴い、リング発振器の再構築に留まり、結果については前年度に対して著しい進捗はない。しかし共振器内のパワーや偏光・モード状態を観測できるようにし、外部共振器の損失低下、モード混合の低下に関して一定の知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従事する学生の交替に伴い、基礎的な再実験が中心となり、結果自体の進捗は芳しくなかった。しかし学生の練度は上がり、次年度は進展できる見込みである。また時間領域モード選択に関しては音響光学素子の変調信号源の信号発生器に関して、従来の2倍高速な時間応答特性をもつものを導入できたので、進捗が見込める。
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今後の研究の推進方策 |
位相同期モード同期マルチコアファイバーレーザーに関しては、飽和フルーエンスの高い可飽和吸収体を導入し、また共振器構成を見直して、ストレッチドパルスモード同期動作を目指す。またより高エネルギー動作が見込めるMamyshev共振器にも挑戦したい。 Yb添加7コアマルチコアファイバーを用いた全正常分散モード同期ファイバーレーザー出力の高出力増幅に取り組む。in-phaseモードの割合を評価する。発振器はチャープ出力のため、パルス延伸器なしでチャープパルス増幅を行い、高エネルギーを得ることを目指す。 時間領域モード選択に関しては、引き続き光学系の最適化を進める。偏波非保持でもモード数の少ないマルチモードファイバーの導入も検討し、新規導入した信号発生器による高速変調と併せ、能動モード同期の変調周波数掃引によるクリアなモード選択の実証を目指す。
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