研究課題/領域番号 |
23K23270
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補助金の研究課題番号 |
22H02002 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 弘亨 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40343925)
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研究分担者 |
叶野 翔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (00742199)
楊 会龍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10814254)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 金属/酸化物界面 / 酸化物 / 照射効果 / イオン照射 / 金属/金属界面 / 腐食 / 水素化 / 酸化物分散強化鋼 / ジルコニウム合金 / 水素影響 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、照射誘起型固相反応現象の微細組織及び強度への影響を明確化することを目的とする。特に、原子力材料として重要な鉄鋼材料中の炭化物や酸化物、およびZr合金中の析出物を対象とする。そして(a) 母相と析出物の界面を合成し、(b) 電子またはイオン照射実験と透過電子顕微鏡などを利用し微細組織変化を詳細調査し、(b) イオン照射法と超微小硬度測定法等による組織-強度相関調査を実施し、組織と強度の視点で知見をまとめる。
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研究実績の概要 |
申請者らは照射その場観察法等により金属材料の強化因子であるナノ粒子の不安定化や過飽和溶質原子の析出など、新たな照射誘起型固相反応現象を見出してきた。これは、照射環境においてプラント構造材料の強度劣化につながる可能性があり、原子炉構造材料や原子燃料被覆管材料、核融合炉構造材料の健全性評価にとって重要な現象となり得る。本研究では、鉄鋼およびZr合金中の材料強化因子に対する照射影響を組織-強度相関の視点で調査し、水素化の重畳効果を実験的に検出し、原子炉内と炉外における材料劣化を比較し、照射・水素化重畳影響を評価することとした。 鉄鋼中の酸化物ナノ粒子の照射下挙動解明のため、照射下その場観察実験により酸化物微粒子は成長と収縮をランダムに繰り返し、長期的に収縮、消滅の途をたどることを確認した。このランダムなサイズ変化の過程が照射の初期に典型的な事象であることを見出し、結晶成長の古典論であるオストワルド成長理論を適用した検討を行い、nm程度のサイズや結晶性を考慮した修正が必要であることを指摘した。この現象が機械強度に対して及ぼす影響についても、ナノ硬度測定と電子後方散乱回折(EBSD)を組み合わせた独自性の高い手法を開発して明らかにすることに成功した。本件は、Journal of Nuclear Materials誌において表彰を受けた。 次に、Zr合金を対象として照射-水素重畳効果の測定を行った。水素約100ppm注入材では照射軟化が生じ、注入量の増加に伴い照射硬化が顕在化することを見出した。さらに照射組織発達過程に対する水素の影響を明らかにした。この成果は原子力学会にて優秀学生発表として表彰された。また、管形状材料の機械強度に対する水素影響を明らかにした。Zr金属の酸化被膜表面における水素発生挙動に対し照射加速効果があることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジルコニウム合金と酸化物分散強化鋼を研究対象材料として、それぞれの構成因子である析出物や酸化物粒子の解析を順調に実施した。進捗は以下の通り。 鉄鋼中の酸化物ナノ粒子の照射下挙動解明のため照射下その場観察実験を実施して酸化物微粒子のランダムな成長・収縮過程を観察した。この過程を結晶成長の古典論であるオストワルド成長理論を適用した検討を行った。この現象と機械強度の関係を明らかにするためにナノ硬度測定と電子後方散乱回折法を組み合わせた独自性の高い手法を開発した。 Zr合金では照射-水素重畳効果の測定を行い、水素約100ppm注入材における照射軟化とその後硬化に転じることを見出した。さらに照射組織発達過程に対する水素の影響を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果の定量化を目指すこととしている。 ODS鋼については照射影響の硬度-組織相関について、特に照射量の関数として整理することを目指す。またZr合金では、内在するZr-Cr系の析出物の照射影響と水素影響を明らかにする方針である。現時点ではそれぞれの装置は順調に稼働しており特段の懸念事項は無い。
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