研究課題/領域番号 |
23K23274
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補助金の研究課題番号 |
22H02006 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日野 正裕 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70314292)
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研究分担者 |
細畠 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00733411)
小田 達郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (70782308)
吉永 尚生 京都大学, 複合原子力科学研究所, 技術職員 (90795535)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 中性子小角散乱 / 多層膜中性子ミラー / 中性子集光 / 中性子光学 / 多層膜 / 小角散乱 |
研究開始時の研究の概要 |
多層膜中性子集光ミラーの限界に挑戦し、開発した中性子集光ミラーを用いてJRR-3のC3-1-2(MINE)ビームラインにコンパクトで実用的な中性子小角散乱装置を設置する。また継続的に集光中性子ビームの利用手法やデバイスが高度化可能な場の構築し、次世代中性子利用施設で重要視されている長波長中性子ビーム利用の実用化、新手法開拓を通じて、中性子利用のさらなる発展、利用拡大の貢献を目指す。
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研究実績の概要 |
京大複合研イオンビームスパッタ装置(KUR-IBS)を用いて、Φ400mm以上の大面積でかつ膜厚1nm程度でも明確に層として機能し、膜厚分布を0.1nm以下で制御することに成功した。そしてスーパーミラー的に適切な波長分布を制御し、かつ高い中性子反射率が得られるNiC/Ti多層膜中性子ミラーの開発に成功した。さらにこの成膜の知見を応用して、従来の中性子吸収イメージングだけではなく小角散乱成分による物質のサブミクロンの濃度ゆらぎが測定できる中性子位相イメージング(Talbo-Lau干渉計)のGd/Ti多層膜中性子吸収格子の製作に成功した。これらの中性子実験は、京大複合研KUR CN-3ビームライン及びJRR-3のC3-1-2(MINE)ビームラインにて行った。これらのビームラインでは、2次元中性子検出器及び中性子集光ミラー開発も進めた。 現在我々が確立した金属基板による中性子集光ミラー製作手法は非常に優れていると自負しているが、基板製作に非常に時間がかかり、集光ミラー形状を容易に変えることが難しいことが明らかになった。これは福井県敦賀市「もんじゅ」サイト新試験研究炉やJ-PARC MLF第2ターゲットステーション等、次世代中性子利用施設における様々な形状の集光ミラーの対応が困難なことを意味する。そこでこの点を解決するための第一歩としての量産を前提とした金属基板の製作手法を考案し、「中性子収束装置およびその製造方法」(特願2023-190128)として特許申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KUR-IBSの故障及び次世代中性子利用施設における様々な形状の集光ミラーの対応を目指して、特許申請を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
多層膜中性子ミラーは、京大複合研のイオンビームスパッタ装置(KUR-IBS)を用いて、集光ミラーの成膜を行う。シリコンやガラスといった平面基板を中心に、集光ミラーの形状と多層膜ミラーの膜構造の最適化を引き続き行い、集光デバイスを構築して、JRR-3 C3-1-2(MINE)ポートにおいて、中性子小角散乱実験を行うと共に、関連成果の論文化及び特許申請を行う。
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