研究課題/領域番号 |
23K23286
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補助金の研究課題番号 |
22H02018 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大澤 輝夫 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80324284)
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研究分担者 |
竹山 優子 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (00510025)
Goit JayPrakash 近畿大学, 工学部, 講師 (00795271)
嶋田 進 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90712208)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 洋上風力発電 / 風況 / ウェイク / 風車最適配置 / ウィンドファーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,陸からの風が卓越する沿岸海域に建設される洋上ウィンドファームにおいて,気象場と風車空力場の相互作用を考慮した最適な風車配置を検討することを目的として,合成開口レーダー及びスキャニングライダー,フローティングライダー等のリモートセンシング技術に基づく沿岸風況の解析,及び,ラージ・エディー・シミュレーションモデル,メソ気象モデル等に基づく数値実験を行う.
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研究実績の概要 |
日本沿岸では着床式洋上ウィンドファームの設置が可能な浅海域は海岸線近傍に限定されるため,陸上地形の影響を十分に考慮した開発が必須となる.本研究では,陸からの風が卓越する沿岸海域において,乱流成分の大きい風況特性を最大限に活用し,気象場と風車空力場の相互作用を考慮した洋上ウィンドファームの最適デザインを提案することを研究目的とする.1年目の研究成果を以下に列記する. 1) 内部境界層の構造解析に向けたデータ整理:青森県むつ小川原港において実施されたNEDO事業による風況観測結果を活用し,岸から0km,1.5km,3km,5kmにおける鉛直ライダー,洋上風況観測マスト,フローティングライダー(FLS)による風況観測値の品質管理を行い,内部境界層の時空間構造を解析するための観測データセットを構築した.フローティングライダー(FL)の観測値については,鉛直ライダーや観測マストとの比較及び神戸大学海洋実習施設で実施した陸上動揺実験の結果を含めて検討を行い,経験式に基づく動揺補正を行った. 2) 沿岸域における風速場解析に向けたデータ整理:風速の水平風速分布については,上記NEDO事業で得られたスキャニングライダーによる風況観測値の他,衛星搭載合成開口レーダー(SAR)の観測値も利用する.本年度は,C-bandのCentinel-1A/B及びX-bandのASNARO-2のデータ収集・整理を行うと共に,後者については風速変換アルゴリズムの開発を行った. 3) 内部境界層シミュレーションの高精度化:メソ気象モデルWRFによる風況シミュレーションを実施し,各種パラメータの調整や計算スキームの選択による計算精度への感度実験を行うと共に,岸沖方向のWRFの計算精度特性を明らかにした.また,OpenFOAMベースのLESモデルの作成に取り組み,むつ小川原港の実地形を用いた計算環境を整備した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」のところで述べた「内部境界層の構造解析に向けたデータ整理」,「沿岸域における風速場解析に向けたデータ整理」,「内部境界層シミュレーションの高精度化」のいずれにおいても,おおむね順調に進んでいる.今年度の段階で,研究目的を達成するためのデータセット及び計算環境はおおむね整備が終わり,次年度以降,研究目的に向けたデータ解析,数値計算を実施し,研究成果を出せるような状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は下記の通りである. 1) むつ小川原海域における内部境界層の解析(大澤,嶋田):青森県六ケ所村むつ小川原港沖合海域における洋上風況観測マスト,鉛直ライダー,フローティングライダー及びスキャニングライダーの観測値を用いて,陸風時(西風時)の海上での内部境界層の3次元構造を解析し,岸沖方向の風速増速率,風速鉛直プロファイルの変化,乱流強度の変化等について明らかにする. 2) SARを用いた水平風速場及び岸沖変化の解析(竹山,大澤):むつ小川原港沖合海域で取得された衛星搭載合成開口レーダー(SAR)に基づく高解像度風況場の解析を実施する.使用するSARは,C-bandのCentinel-1A/B(約500画像)及びX-bandのASNARO-2(22画像)である.10m高度の水平風速場を明らかにすると共に,岸沖方向の風速増速率を各種ライダー観測値と比較・検証する. 3) 内部境界層シミュレーションの高精度化(Goit,大澤):2022年度から計算を試行しているOpenFOAMによるLESシミュレーションの技術開発を本格化する.むつ小川原海域の内部境界層再現計算について,陸上・洋上観測値(マスト,VL,SL,FL,SAR等)及びメソ気象モデルWRFによる結果と比較し,再現精度の高精度化を図る.
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