研究課題
基盤研究(B)
生体膜は脂質から成る流動性のある二分子膜である。その中では特定の脂質が集合して膜ドメインを形成し、細胞内輸送やシグナル伝達などの機能を発揮しているという「ラフト」の存在が有力視されている。しかしながら、実際のラフトの大きさは数nmであり、寿命が10-50ミリ秒であることを考えると、ナノスケールの構造変化をミリ秒の時間分解能で観測する必要がある。そこで、本研究では、独自に開発した時分割X線反射率法を使ってマランゴニ対流下で形成された単成分の脂質膜のダイナミクスを観測し、脂質ラフトの形成メカニズムを明らかにする。