研究課題/領域番号 |
23K23324
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補助金の研究課題番号 |
22H02056 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
三成 剛生 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, グループリーダー (90443035)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | プリンテッドエレクトロニクス / 金属錯体 / フレキシブルエレクトロニクス / 合金 / 金属インク |
研究開始時の研究の概要 |
現代のエレクトロニクスに必須な金属元素による錯体インクを合成し、それらを自在に混合することによって、印刷によって合金を形成する「多元素プリンテッドエレクトロニクス」を創出する。Society5.0に資する新規な金属合金を、任意の形状で印刷することを可能とする。合金として形成することで、単一金属では実現できない合金特有の機能を発現させる。複雑系の反応経路を系統的に解明し、混合した金属錯体インクが還元され合金となる複雑系の学理を追求し、機能を発現する機構を構築する。フレキシブルエレクトロニクスとしての実用化に加えて、新たな用途を開拓する。
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研究実績の概要 |
申請者の最近の研究で、異なる金属インクを混合することによって、印刷によって合金層が形成できることが明らかになった。従来のプリンテッドエレクトロニクスでは、単一の金属の印刷を行い、得られる機能も導電性に限られていた。本研究では、多元素金属錯体を含むインクから合金を生成する「複雑系錯体化学」の学理を追求し、様々な機能を持つ合金を、プリンテッドエレクトロニクスによって形成する新しい手法の開発を目指している。最終的には、これまでにない軽量・フレキシブルな電子デバイスやセンサ・アクチュエータ素子、マイクロロボット等を、安く大量に製造する技術の確立を目指す。今期は、合金として用いる様々な種類の金属インクの合成を目的とした。銅、ニッケルをはじめとして、様々な金属を用いて錯体インクの合成を行った。それぞれのインクの最適な組成を検討し、熱分析等を用いることで、還元条件を明らかにした。各金属インクから形成した金属膜を分析し、酸化の程度を評価することによって、還元条件のさらなる検討を行った。さらに、以前より研究を進めている銅・ニッケル合金インクにおいては、さらなる組成の検討を行い、高い導電性と良好な大気安定性、基板への密着性、はんだ耐性を実現した。また、導電性微粒粉をインクに添加することによって、簡便に膜厚と導電性を向上させる新たなプロセスを開発した。今期に得られた銅・ニッケル合金インクに関する成果は、現在は論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画にない金属も含めて、これまでにない、様々な種類の金属インクの合成に成功した。さらに、インクを混合して合金を形成する条件に関しても、当初の予定を前倒しで検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今期に新たに合成に成功した金属インクを用いて、混合して合金化を行うことにより、現在のエレクトロニクスで重要である様々なデバイスを印刷・塗布プロセスによって形成する基盤技術を確立する。
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